2013 Fiscal Year Annual Research Report
知的障害のある自閉症生徒の社会参加のための教育プログラムの開発
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24330261
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
渡部 匡隆 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (30241764)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 自閉症 / 知的障害 / 社会参加 / 教育プログラム / 連携 / 地域支援 |
Research Abstract |
平成25年度は、大きく2つの研究を実施した。 第1に、地域を基盤とした連携した指導モデルの開発に関する研究である。平成24年度から共同研究を進めている東京都立知的障害特別支援学校の協力を得て、中学部に在籍する知的障害のある自閉症の生徒を対象に、知的障害特別支援学校と交通機関(電車)の運行会社と連携して交通機関の利用を成立するための指導・支援方法や指導・支援体制の検討を行った。具体的には、交通系ICカード(パスモ)を利用して電車通学をしている生徒が、残金不足や改札時にトラブルが生じたときに対応について検討を行った。その結果、学校及び運行会社での連携した指導・支援体制や、知的障害のある自閉症の児童生徒に対する指導・支援方法について明らかにすることができた。一方、本指導モデルの開発にあたり、中国・韓国を中心に、同様の取組であるSchool Community Partnership(SCP)モデル、特殊教育地域化システムについて現地調査を行う予定であった。ところが、研究代表者が学会主催者となったため時間的な制約で実施できなかったため、平成26年度に実施する計画である。 第2に、知的障害のある自閉症の児童生徒の特性に応じた効果的な指導内容及び指導体制の開発に関する研究である。平成24年度から研究協力を得ている横浜市立知的障害特別支援学校において、知的障害のある自閉症の児童生徒に対して学校全体、学部全体で共通理解を持って自閉症教育に取り組む体制づくりについて検討を行った。その結果、校内でのスモールグループづくりにより授業や特性に応じた学校生活の工夫を行うことで、効果的な指導・支援が可能となることが明らかになった。一方、計画していた指導内容の開発は、研究代表者が学会主催者となったため時間的な制約で実施できなかったため、平成26年度に実施する計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度は、地域を基盤とした連携した指導モデルの開発に関する研究、及び知的障害のある自閉症の児童生徒の特性に応じた効果的な指導内容及び指導体制の開発に関する研究を計画した。各研究課題について前進したと評価しているが、一方で、研究代表者が学会主催者となったため時間的な制約で計画した内容が一部実施できなかった。具体的には、中国・韓国を中心に、海外での地域を基盤とした指導・支援体制の実地調査であり、もう1つが、指導内容の開発に関する調査研究である。いずれも平成26年度に実施する計画であるが、以上の取組状況を踏まえ、やや遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の方略である、①地域を基盤とした連携した指導モデルの開発に関する研究、及び、②知的障害のある自閉症の児童生徒の特性に応じた効果的な指導内容及び指導体制の開発に関する研究について、平成26年度も継続して実施していく。 ①については、平成25年度までの研究実績を踏まえ、東京都立知的障害特別支援学校と共同して、さらに対象生徒及び対象となる活動や資源を拡大して実践を行い、地域を基盤とした連携した指導モデルについて確立していく予定である。また、平成25年度に実施できなかった海外での現地調査を実施する。 ②については、知的障害のある自閉症の児童生徒の特性に応じた指導内容の開発を中心に進める。具体的には、国内の知的障害特別支援学校卒業者で、地域で充実した生活を営んでいる知的障害のある自閉症者の保護者や関係する教員に対して、指導内容について聞き取り調査を行う。それらの結果を整理し、国内の知的障害特別支援学校で、知的障害のある自閉症の児童生徒の担任に調査を行い、知的障害のある自閉症の特性に応じた社会参加に必要な指導課題について抽出する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、地域を基盤とした連携した指導モデルの開発に関する研究、及び知的障害のある自閉症の児童生徒の特性に応じた効果的な指導内容及び指導体制の開発に関する研究を計画したが、研究代表者が学会主催者となったため時間的な制約で計画した内容が一部実施できなかった。具体的には、中国・韓国を中心に、海外での地域を基盤とした指導・支援体制の実地調査であり、もう1つが、指導内容の開発に関する調査研究である。いずれも平成26年度に実施する計画であるが、以上の理由により、当該助成金が生じた。 本研究の方略である、①地域を基盤とした連携した指導モデルの開発に関する研究、及び、②知的障害のある自閉症の児童生徒の特性に応じた効果的な指導内容及び指導体制の開発に関する研究のうち、①については、平成25年度に実施できなかった海外での現地調査を含めて実施する。また、②については、平成25年度に実施できなかった知的障害のある自閉症の児童生徒の特性に応じた指導内容の開発を中心に進める。
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