2014 Fiscal Year Annual Research Report
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24340005
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森下 昌紀 九州大学, 数理(科)学研究科(研究院), 教授 (40242515)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 結び目 / 素数 / 数論的位相幾何学 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度に実行した研究成果の具体的内容は次の通りである。数論的位相幾何学において、次の3編の論文を著した。 1. Masanori Morishita, Yu Takakura, Yuji Terashima, Jun Ueki; On the universal deformations for SL_2-representations of knot groups, arXiv:1409.4226. この論文では、結び目理論と数論の類似に基づき、 MazurのGalois表現の変形論に従い、結び目群のSL_2-表現の変形について研究した。 2. Fumiya Amano, Masanori Morishita; Arithmetic Milnor invariants and multiple power residue symbols in number fields, arXiv:1412.6894. この論文では、素数と結び目の類似に基づき、代数体の素イデアルに対して数論的Milnor不変量と多重べき剰余記号を導入した。新しい例として、円の3分体上27次のHeisenberg拡大を具体的に構成することによりトリプルキュービック記号を論じ、エタールコホモロジーにおけるMassey積によるコホモロジー的解釈を与えた。 3. Takahiro Kitayama, Masanori Morishita, Ryoto Tange, Yuji Terashima; On certain L-functions for deformations of knot group representations, preprint. この論文では、上記論文1の続きとして、結び目群のSL_2-表現の普遍変形に対するねじれ結び目加群を研究し、付随するL-関数を導入した。このL-関数の零点の位数に関するMazurの問題について、いくつかの具体的な2橋結び目に対して肯定的な解答を与えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究目的に関して、おおむね順調に進展している。上記研究実績の3編の論文については、研究代表者の大学院学生たちが具体的な計算において、おおいに興味深い研究成果を挙げた点においては、予想以上の良い結果を得たと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、研究代表者独自の視点に基づき、研究協力者、大学院学生と協力して、精力的に研究成果を挙げていく予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は、大学学務の仕事と重なり、予定していたドイツ出張へ行けなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年3月に主催予定の研究集会に外国人を招待するため、及び研究代表者の外国出張に使用予定。
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Research Products
(1 results)