2015 Fiscal Year Annual Research Report
多成分結合型可積分系に対する双線形化法による統一的研究
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24340029
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
太田 泰広 神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10213745)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 結合型可積分系 / 双線形化法 / ソリトン |
Outline of Annual Research Achievements |
多成分複素変形KdV方程式系の階層に対して、ホドグラフ変換を含めた変数変換のもとでの双線形化と、その双線形方程式に対するパフィアン解の代数構造の研究を行った。多成分複素short pulse方程式の多ソリトン解をパフィアンで表現し、ベックランド変換を構成することによって離散ホドグラフ変換を定義した。その離散ホドグラフ変換を用いて空間離散多成分複素short pulse方程式を構成し、そのパフィアン解に対して双線形化法に基づく直接証明を与えた。一般的な多成分複素short pulse方程式には、非線形項における各成分の結合項に任意結合定数が含まれるが、それらは多成分パフィアンの成分の中の位相パラメータとして現れる。双線形方程式の一部はパフィアン版のプリュッカー関係式には帰着されず、パフィアンに対するラプラス展開を用いて直接的に証明される。系の時間発展は、元の複素場の時間発展方程式と差分間隔に対する時間発展方程式の結合系によって支配される。カスポンやループソリトンを含む具体的な解の挙動についても明らかにした。 これらの結合型可積分系は、相似性を要請する次元簡約を行うのではなく、結合条件を要請することが簡約条件となって導出される。変形BKP方程式階層に対して結合条件による次元簡約を適用することにより、結合型変形KdV方程式階層、結合型Sawada-Kotera方程式階層などのソリトン方程式の階層の階層が構成できることが明らかになった。結合条件を与える双線形方程式は、パフィアンに対する新しい代数関係式に帰着されることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
結合型可積分系および関連するソリトン方程式系に対する双線形化法による理解が進んだから。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、多成分結合型可積分系とその解空間の代数構造に関して、双線形形式に基づく研究を推進していく。
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Causes of Carryover |
予定された出張を中止したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に出張などで使用する計画である。
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