2014 Fiscal Year Annual Research Report
イマージョングレーティング分光器を用いた星間分子のラインサーベイ観測
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24340037
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
平原 靖大 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (30252224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 建太郎 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (40158861)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 宇宙化学 / 星間分子 / イマージョングレーティング / 中間赤外線 / 振動回転スペクトル / 短寿命分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度から継続して、ゲルマニウム・イマージョングレーティング中間赤外線冷却分光器(GIGMICS)を、国立天文台ハワイ観測所・すばる望遠鏡の赤外ナスミス焦点台に設置し、高感度かつ高分散の分光観測を遂行することができるようにするための、GIGMICSに装着された2つの赤外線アレイ検出器(スリットビューワー用:InSb 256x256素子、エシェログラム用 Si:As IBC 512x412素子)の駆動エレクトロニクスの設計と改良による新システムへの置き換え、および、解析ソフトウェアの改良および新規の製作を行った。 2011年に行った東広島天文台でのGIGMICSのファーストライト観測においてやや顕著であったInSb検出器の撮像データに現れる再現性の低い周期的なノイズ対策のため、電源供給回路を含む新たな回路基板を設計、製作し、単体でのノイズ評価を経てGIGMICSに搭載し動作試験を行った結果、良好な結果を得た。この新しい検出器駆動回路によって、可動ステージ上に設置したGIGMICSの入射焦点位置調整作業が、ガイド用F/13.9もしくはコリメートHe-Neレーザー光源からの微弱な1.5μm発振線を用いて非常に効率よく行うことが可能であることを明らかにした。これにより、大型装置であるGIGMICSの(a)落射照明用光学系, (b)外部ビューアー(c)He-Neレーザー(d)10.41μm量子カスケードレーザーからなる、コンパクトな調整機構が完成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年8月にGIGMICSの冷却動作に必須であるHe-Ne冷凍機のコンプレッサーユニットが不調となった。メーカーにおいて点検を行った結果、当初の冷却能力を満たすことができないこと、製造中止品であるために新規製作には時間がかかることが判明した。そのため、望遠鏡への設置による試験を今年度内に行うことはできないと判断し、研究資金を繰り越した上で次年度に研究を続行する旨,決断するに至った。
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Strategy for Future Research Activity |
いわゆるマンパワー不足に対処するために、充分なスキルと経験を有する博士研究員の雇用を検討する。
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Causes of Carryover |
動作不良となったHe冷凍機コンプレッサーユニットの機種選定と購入に充当する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
冷凍機のコールドヘッド(必要到達温度70K)が正常であることを確認できれば、これに適合するコンプレッサーユニットを購入する。そうでない場合には新しい冷却システムを構築する。この場合には本研究予算上、博士研究員の雇用経費から充当することも検討する。
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