2014 Fiscal Year Annual Research Report
有限密度格子QCD ー 符号問題への挑戦と高密度系の第一原理計算
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24340054
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中村 純 広島大学, 情報メディア教育研究センター, 教授 (30130876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國廣 悌二 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (20153314)
初田 哲男 独立行政法人理化学研究所, 仁科加速器研究センター, 主任研究院 (20192700)
大西 明 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (70250412)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | QCD / 有限密度 / 極限状態 / モンテカルロ法 / カノニカル法 |
Outline of Annual Research Achievements |
有限密度QCDの非摂動的振る舞いを第一原理計算によって求める格子QCDは、これまで「符号問題」のために密度の小さい領域においてしか計算ができなかった。我々は、カノニカル法という手法を再検討することでこの適用限界を大きく拡張できる可能性があることを見出した。 通常の有限密度格子QCDでは大分配関数を計算するが、このとき実化学ポテンシャルでは、モンテカルロ法に現れる確率が複素数になってしまい、意味を持たなくなる(無理に計算を進めると激しい正負の振動による誤差が巨大になってしまう)。一方、カノニカル法で使われる分配関数は、純虚数化学ポテンシャル領域での大分配関数から構成することができる。純虚数化学ポテンシャルでは符号問題は生じない。 しかし、大分配関数から分配関数へ変換するときのフーリエ級数には正負の振動があり、これが符号問題の形を変えたものと考えられている。このために、カノニカル法でも高密度での計算はこれまで実現できなかった。 我々は、通常の倍精度の桁数(10進で16桁程度)をはるかにこえる数百桁の制度の計算のためのコードを制作し、テスト計算を行ったところ、これまでの限界を大きく超えることができた。 現在は、テストのために、実際のクォーク質量よりはるかに重い領域で計算を行っているが、通常のクォーク・グルーオンプラズマの圧力、数密度、感受率に加えて、カイラス凝縮パラメータ、中間子の伝搬関数の計算を行い、有限密度の第一原理計算で初めて、相転移の兆候を捉えることができた。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)