2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24340075
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
榊原 俊郎 東京大学, 物性研究所, 教授 (70162287)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 磁性 / 強相関系 / 分子性固体 / 極低温 / 磁化測定 |
Research Abstract |
1.磁化センサーであるキャパシタンスセルの反磁性バックグラウンド磁化率を大幅に減らすために、従来用いたAl合金の代わりにパウリ常磁性金属として超高純度(99.9999%)のMgを使用したMg-2%Al合金を作製し材料として用いた.この結果キャパシタンスセルの反磁性バックグラウンドおよびAl核スピンの影響を大幅に減らすことに成功し、超高感度化に成功した。 2.S=1/2カゴメ格子反強磁性体ボルボサイトの単一単結晶試料の極低温磁化測定を行い、磁気転移温度1.18K以下における磁場誘起相転移の異方性を調べた。その結果、磁場誘起のI-II相転移はab面に対して垂直・平行方向共に、転移磁場の僅かな違いを除いてほぼ同等に出現することがわかった。 3.S=1/2の一次元反強磁性体Cu pyrazine(CuPzN)の単結晶の磁化測定(b軸方向)を行い、80mK (T/J=0.008)の低温極限における飽和(臨界磁場14T)に至る磁化曲線を正確に求めた。その結果はベーテ仮設に基づく厳密解の計算結果とよく一致した。また有限磁場下の磁化の温度依存性を詳細に調べ、帯磁率が極大となる温度(ゼロ磁場で約7K)が磁場とともに減少し、臨界磁場下ではT=0に向かって磁化が増大しつづける振る舞いが明確に得られた。S=1/2一次元量子スピン反強磁性体の量子臨界的挙動を磁化で初めて観測することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題を遂行するうえで最も核となる技術開発(常磁性Mg合金により磁力計の反磁性バックグラウンドを減らすこと)が達成できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の計画に大きな変更はなく、当初の予定どおり進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
液体ヘリウムの使用量が増加傾向にあり、加えてその単価も上昇しているので、主に寒剤費として使用する。
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Research Products
(16 results)