2015 Fiscal Year Annual Research Report
フェルミ面トポロジーが生み出す非従来型超伝導の最適化に関する理論研究
Project/Area Number |
24340079
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
黒木 和彦 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10242091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 佑紀 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, その他部局等, 研究員 (20587026)
町田 昌彦 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, その他部局等, 研究員 (60360434)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 高温超伝導 / フェルミ面 / 電子相関効果 / 第一原理計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画は平成26年度で終了予定であったが、得られた研究成果を平成27年5月に開催の国際会議にて発表するため、1年間研究期間を延長し、残っていた研究資金はすべて当該会議の旅費として使用した。また、平成26年度までに得られた研究成果に関して、招待レビュー論文を含む論文を出版した。平成26年度までの3年間で得られた成果のうち、特に重要な以下の内容を国際会議で発表し、レビューにも含めた。 水素ドープ型鉄系超伝導体LnFeAs(O,H)においては、酸素を水素に置換することにより、多くの電子ドープを行うことができる。電子量が多い領域で、超伝導転移温度の再上昇や、反強磁性秩序が発見され、関心を集めている。多量の電子ドープはフェルミ面のネスティング条件を壊すため、超伝導がスピン揺らぎを媒介とし、スピン揺らぎの起源がフェルミ面のネスティングであると考えると考えると、実験事実はこれに反しているように見える。我々は、この問題について取り組み、電子ドープに伴って、実空間のホッピング積分の関係が大幅に変化することが重要であることをつきとめた。電子ドープによりdxy軌道内の最隣接サイト間ホッピングが量子干渉効果により急激に減少し、第二隣接サイト間ホッピングが相対的に支配的になる。これにより、第二隣接サイト間でのペアリングであるs±波超伝導に有利となり、フェルミ面ネスティングが悪くなっても、超伝導が増強されることがわかった。これらの結果は、波数空間と実空間のマッチングが重要であることを示しており、非従来型超伝導最適化の一般的指針として重要な意義を持つ。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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