2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24340094
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
池田 研介 立命館大学, 理工学部, 教授 (40151287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 公也 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (70188001)
首藤 啓 首都大学東京, 大学院理工学研究科, 教授 (60206258)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | カオス / トンネル現象 / 半古典理論 / 複素力学系 / 物性基礎論 |
Research Abstract |
1.長時間スケールでのCSUM機構とカオス的トンネル効果の研究を実施した。我々が発展させてきた独自理論の時間領域複素半古典理論に基づいて量子写像系を長時間で扱う実際的な計算法を開発実装した。これにより定常トンネル領域での(複素)古典軌道計算が可能になりつつある。この研究によって我々が言うLaputa chainとジュリア集合の関係が実際の長期間過程でどのように定常性を記述するか、特に美しいフラクタル構造のトンネル軌道における意味が解明されつつある。 2.可積分トンネル効果の基本過程であるインスタントントンネルがカオス的トンネル効果へ転移する最初の転移現象が量子写像系では目覚しいトンネル確率の増大転移として観測される。この転移の様相の量子論が可積分部分を最大繰り込んだ摂動理論によって解明された。この方法は様々の量子写像系に応用され、従来resonance assisted tunnelとして理解されていた転移過程が不安定サドル近傍チャネルを使う全く異なる機構による転移である事が解明された。 3.大自由度系におけるアーノルド拡散のFPUモデルによる研究を発展させた。非線形フォノンモードの不安定化がアーノルド機構を誘起し大自由度における緩慢な拡散樣現象が起きるまでの様相、特に不安定化の機構が標準形理論に繰り込み群の方法を導入することによって明らかにされた。 4.量子カオス拡散現象をactive diffusionとpassive diffusionにわけてその拡散-非拡散転移の臨界現象を統一的に研究し、もって我々が発展させてきた波動関数の複素解析構造の研究につなげる試みを開始。passive diffusionの典型であるアーノルド拡散を<常拡散現象>として理想的に実現できる量子写像系が提案され奇妙な臨界現象の存在が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究そのものは計画どおりに進行しているが、結果の出版がかなり遅れている。理由は代表者の現大学からの退職に伴う諸々の雑用増加、分担者のかなり深刻な体調不良、研究協力者の移動等が重なったためである。この為に出版予定であった4本の論文、 1. Instanton-noninstanton transition in nonintegrable tunneling processes: a renormalized perturbation approach (Shudo et al) 2. Detailed study of the transition to nonintegrable tunneling processes and time domain approach 3. The origin of the enhancement of tunneling probability in nearly integrable regim 4. Renormalization group approach to the dynamical instability of lattice vibration in a 1D model が未だ査読中、乃至は準備中の状態にある。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画そのものには大幅な変更はない。しかし上記のように既に出た成果の出版にとどこおりがでており、準備中出版物の出版を急ぐ為に共同研究者間の対面による討論の機会を増やすようにしたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
計算サーバーの購入にあてる為の予算が、サーバーのunix-OS搭載性能に問題がある事が分かり、3月時点で購入を中止せざるをえなくなったため。 急遽代替のサーバーを検討中である。
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Research Products
(11 results)