2015 Fiscal Year Annual Research Report
地震断層における熱圧化履歴の地球化学的・岩石学的評価
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24340127
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
石川 剛志 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 高知コア研究所, 研究所長 (30270979)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 自然災害 / 地震 / 地球化学 / 地質学 / 断層 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.断層岩等の化学分析(微量元素・同位体分析)に基づく下記の成果を論文として公表した。 (1)台湾チェルンプ断層掘削で得られた断層周囲の母岩試料について、間隙水圧コントロール下で地震時の断層滑りを再現する高速摩擦実験を行い、生成された断層岩の分析を行った。その結果、断層滑りに伴う摩擦加熱で断層岩の温度が300℃以上に達した場合、高温の流体岩石相互作用により断層岩中のリチウム濃度が明瞭に低下することを、世界で初めて実験的に明らかにした。(2)陸上の露頭から採取された阿寺断層の試料について分析を行った。300℃を超えるような化学シグナルは検出されなかったが、地震時に断層岩が酸化的な地下水と接触したことに起因する鉱物・化学組成変化を見出した。(3) 統合国際深海掘削計画(IODP)Exp. 333により南海トラフ南側から採取された四国海盆堆積物(堆積年代は700万年前~現在)についてストロンチウム・ネオジム・鉛同位体分析を行い、沈み込みにより将来断層帯に持ち込まれる堆積物の同位体的特徴と供給源の長期変動を明らかにした。 2.上記の結果および前年度までの結果に基づき、地震時の断層帯における高温の流体岩石相互作用がもたらす組成変化について総合的な解析を行った。300℃以上の場合においては、天然の断層試料の分析結果、高速摩擦実験試料の分析結果、化学平衡を仮定したモデル計算の結果、および反応速度論的解析の結果は概ね一致し、地震時の流体岩石相互作用の判定手法として断層岩の化学分析が有効であることを明らかにすることができた。取りまとめた結果について、日本地球惑星科学連合2015年大会、国際研究集会「Symposium on subduction zone earthquakes in Nankai Trough & Japan Trench」で招待講演を行った。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Sr, Nd, and Pb isotope compositions of hemipelagic sediment in the Shikoku Basin: Implications for sediment transport by the Kuroshio and Philippine Sea plate motion in the late Cenozoic2015
Author(s)
Saitoh, Y., Ishikawa, T., Tanimizu, M., Murayama, M., Ujiie, Y., Yamamoto, Y., Ujiie, K. and Kanamatsu, T.
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Journal Title
Earth and Planetary Science Letters
Volume: 421
Pages: 47-57
Peer Reviewed
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