2013 Fiscal Year Annual Research Report
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24340135
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山中 寿朗 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (60343331)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 仁 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (30144736)
石橋 純一郎 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (20212920)
米津 幸太郎 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90552208)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 海洋資源 / 海底熱水系 / 熱水性石油 / oil window / 鹿児島湾 |
Research Abstract |
これまで、熱水性石油の生成には250℃を超えるような高い温度が必要と考えられてきたが、熱水貯留層温度の推定値が最高でも250℃とされる鹿児島湾若尊熱水系でも熱水性石油は生成している。このことから、熱水性石油であっても石油様炭化水素が生成する温度帯、すなわちoil windowは、通常の石油と差が無いことが考えられる。そこで、平成24年度に採取された長尺のコア試料を用い、平成25年度は堆積物の経験温度を推定するため、間隙水および堆積物の地球化学分析を中心に進めた。 熱水性石油の生成が確認されていた熱水湧出域近傍で採取されたコア試料(WLC1bコア)およびその湧出域から西へ約1kmの熱水噴出孔に近い地点で採取されたコア試料(WLC2コア)について50cm間隔で全有機炭素、全窒素濃度、それぞれの炭素、窒素同位体組成の分析を行うとともに、その一部について有機成分の抽出を行い、バイオマーカーによる熟成度評価を行った。その結果、WLC1bコアに比べWLC2コアで、n-alkaneの炭素数の奇数/偶数優位性を用いた熟成度が高く、コアの深部に向かって熟成度が上がり、最も深い場所(海底面下8.2m)でCPI = 1.7と有意な石油生成(もしくは移動してきた石油の混入)が認められた。一方、海底面で熱水性石油の存在が認められている熱水湧出域近傍で採取されたWLC1bコアでは高い熟成度は表層付近や海底面から2m付近と深度と無関係であった。これは、WLC1bコアでは間隙水中に熱水の混入が部分的に認められることと調和的で、一方、WLC2コアは深度と共にシリカおよびアンモニア濃度がほぼ直線的に上昇ことから、単純な地温勾配で制御されている可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
流体包有物や粘土鉱物の酸素同位体比を用いた地化学温度計の利用を想定していたが、流体包有物が発見できず、また、粘土鉱物も当初の推定より量が少なく改めて粘土鉱物の分離を進めている。そこで、現在新たな地化学温度計として粘土鉱物中のアンモニア態窒素を用いた方法を検証中である。
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Strategy for Future Research Activity |
海底下の温度指標となり得る有機バイオマーカーの分析をこれまでの想定より種類を増やして進める。また、熱流量分布と間隙水中熱水成分の割合を用いた現在の海底下温度分布について三次元マップ化にも取り組む。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
流体包有物が発見できなかったため、その測定に必要であった消耗品の購入を見送った。 有機バイオマーカーおよびアンモニア態窒素同位体測定を追加的に行うため、そこで必要な消耗品費にあてる。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Shallow submarine hydrothermal activity with significant contribution of magmatic water producing talc chimneys in the Wakamiko Crater of Kagoshima Bay, southern Kyushu, Japan2013
Author(s)
Yamanaka, T., Maeto, K., Akashi, H., Ishibashi, J., Miyoshi, Y., Okamura, K., Noguchi, T., Kuwahara, Y., Toki, T., Tsunogai, U., Ura, T., Nakatani, T., Maki, T., Kubokawa, K., and Chiba, H.
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Journal Title
Journal of Volcanology and Geothermal Research
Volume: 258
Pages: 74-84
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Mg-rich clay mineral formation associated with marine shallow-water hydrothermal activity in an arc volcanic caldera setting2013
Author(s)
Y. Miyoshi, J-I. Ishibashi, K. Faure, K. Maeto, S. Matsukura, A. Omura, K. Shimada, H. Sato, T. Sakamoto, S. Uehara, H. Chiba, T. Yamanaka
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Journal Title
Chemical Geology
Volume: 355
Pages: 28-44
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Large contribution of the magmatic water to the seafloor hydrothermal fluid at the Wakamiko hydrothermal field and its associated mineralization in Aira Caldera, southern Kyushu, Japan
Author(s)
Toshiro Yamanaka, Kotaro Maeto, Hironori Akashi, Jun-Ichiro Ishibashi, Yoko Miyoshi, Kei Okamura, Takuro Noguchi, Tomohiro Toki, Urumu Tsunogai, Tamaki Ura, Takeshi Nakatani, Toshihiro Maki, Hitoshi Chiba
Organizer
IAVCEI 2013 Scientific Assembly
Place of Presentation
鹿児島県民交流センター
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