2014 Fiscal Year Annual Research Report
近接場光励起による電子スピン分極発生を利用した界面磁気共鳴法の開発
Project/Area Number |
24350004
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
河合 明雄 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (50262259)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | エバネッセント光 / 固液界面 / 過渡吸収 / イオン液体 / 三重項アニヒレーション / ポルフィリン / エリスロシンB / スピン分極 |
Outline of Annual Research Achievements |
固液界面近傍のイオン液体で、界面から数10ナノメートル程度のメゾスコピック領域における液体分子間の相互作用や溶質に対する溶媒和、その空間における溶質拡散や反応のダイナミクスを研究するために、界面近傍に高感度なエバネッセント光を用いた全反射分光装置の開発を行った。本研究では、2つの装置開発に重点をおいた。一つは、可視紫外光をモニター光とする電子スペクトル測定装置であり、もう一つは紫外線励起で発生する動的電子スピン分極を利用した界面選択的なEPR分光測定装置である。 前者については、最終年度で、ナノ秒レーザーを励起光源としXeフラッシュ光をモニター光に用いた過渡吸収分光法の開発に成功した。サファイア基盤とイオン液体が接した試料を用い、液体中に溶解した色素(ポルフィリン、エリスロシンB)に対して532nmレーザーを照射し、光反応を起こした。この系に対し、Xeランプの光をエバネッセント光として固液界面に入射し、界面近傍での光反応の時間分解計測を過渡吸収をモニターすることで行った。ポルフィリンでは、三重項励起状態の2分子衝突による緩和過程の観測に成功し、その速度定数を計測した。得られた値は、通常のバルク相における値よりも数倍程度小さいことがわかった。ポルフィリン三重項の2分子衝突による緩和は、拡散律速で起こることがわかっており、これより、界面近傍でのポルフィリン三重項の拡散が遅いことが示唆された。界面近傍のイオン液体は固体の電荷分布の影響を受けて特殊な液体構造をとることが推測されており、拡散が遅いという本研究の成果とあわせ、今後より深い固液界面の理解がすすむと思われる。エリスロシンBでも、同様な実験でダイマー中の電荷分離過程の観測に成功した。 また、EPRに関しては、セルの製作まで完成した。研究期間後、実際の計測に入る予定である。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)