2014 Fiscal Year Annual Research Report
単分子素子の機構解明を先導する機能性π電子系の創製
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24350025
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
家 裕隆 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (80362622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 恒夫 独立行政法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (30345095)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 合成化学 / 分子ワイヤ / 分子素子 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の全体構想は有機合成化学・構造有機化学に基づく機能性π電子系開発を切り口として、単分子エレクトロニクス実現の基盤となる成果を得ることである。この中で本基盤研究では、単分子素子において不可欠な構成ユニットである“分子導線”“アンカー”の開発を目的とする。具体的には、10nmスケールの単分散の完全被覆型分子導線、電極とπ電子接合が可能で最高被占軌道(HOMO)を電気伝導に介する三脚型アンカーを設計・開発する。分子構造-基礎物性-素子機能の相関関係を解明することでユニットの性能を明らかとし、この知見を基に、開発途上の単分子素子材料における設計指針を確立する。分子ワイヤに関しては昨年度までに2-エチルヘキシル基を持つチオフェンユニットを用いて検討を行ないチオフェン8量体まで達成していた。今年度、さらに、触媒的カップリング反応の条件を改良することで、完全に被覆したチオフェン24量体までの単分散オリゴチオフェンの合成に成功した。アンカー部位に関しては、昨年度までに創出した電子豊富なヘテロ芳香族化合物、および、多縮環芳香族化合物をアンカー官能基とする三脚型化合物において金基板への吸着能評価と、予備的な単分子電気伝導評価を行い、構造、物性、吸着能の相関に関する知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分子ワイヤ、アンカー分子ともに研究計画とおり進行している。最終年度の来年度は、研究の総括に向けた実験を行なうことが十分できる状況になっている。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のとおり、研究計画最終年度も当初の計画どおり研究を遂行する予定である。特に長鎖分子ワイヤに関しては、電気伝導度評価を系統的に実施する予定である。
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Causes of Carryover |
来年度に向けた人件費のために繰り越しを出した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度の総括のため資料整理と合成補助のための人件費に使用する。
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Research Products
(19 results)