2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24350038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
火原 彰秀 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (30312995)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 液体表面 / マイクロ流体 / ナノ流体 / 光散乱 / 共鳴現象 / スペクトル解析 / 畳み込み |
Research Abstract |
微小な液体の表面張力、あるいは油水界面張力を計測するため、界面張力波共鳴現象を利用した準弾性レーザー散乱(QELS)法により、微小液体表面・界面の張力を得る手法の確立を目指す。共鳴QELSスペクトルでは、光学配置に依存しない特徴的なピークが現れ、このピークから表面張力を得ることができる。本研究では、この空間的な共鳴を利用したQELS法の表面張力測定法へ応用する装置的研究と、ナノサイズ界面への適用可能性を明らかにする研究を進める。 本年度は、まず共鳴QELS法で用いる単一光束配置によるスペクトル解析法の確立に取り組んだ。従来の単一光束QELS法の理論では、中心周波数を求める式は示されているものの、スペクトル予想には限界があった。計測系は、界面での有限なビーム径と有限な測定器開口の組合せというフラウンホーファー回折に近い光学系であるが、それぞれの角度で異なるドップラーシフトを受ける点に特徴がある。検出器も有限の大きさをもつため、周波数スペクトルを散乱角と検出器面の二重に積分しスペクトル形状を予測する手法を検討した。その結果、試料液面でのビーム径や液面から検出器までの距離により、スペクトル形状が変化する現象が再現でき、実験結果とよい一致を見せた。ピーク位置の空間サイズ依存、界面張力依存から界面張力測定法としての精度・確度について検討中である。 また、円形や四角開口の液面からの二次元共鳴の観測に成功した。共鳴モードなどの詳細は検討中であるが、アレイ型張力測定への展開が期待できる結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は、当初の予定通りスペクトル形状に関する基礎研究を進め、成果を挙げた。精度や感度の定量的な議論という課題は残ったが、十分な進展といえる。また、平成25年度に予定していた二次元共鳴波の観測に成功した。平成25年度の研究を順調に進める手がかりを既に得ていることから、十分な進展が望める。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、二次元共鳴現象の理論的解析と応用に注力する。また、装置の小型化に向けた基礎検討についても同時に進める。
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Research Products
(23 results)