2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24350038
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
火原 彰秀 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (30312995)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | マイクロ流体 / レーザー分光 / 表面・界面 / 張力波 / 共鳴 |
Outline of Annual Research Achievements |
対物レンズで集光した単一光束を用いる準弾性レーザー散乱法(QELS法)により、マイクロメートルサイズの空間制限された液体表面における界面張力波共鳴を計測し、微小空間での界面張力を得る方法について検討を進めた。前年度までに、円形や四角形などの二次元制限空間からの共鳴信号を得ることに成功し、その共鳴モードを帰属することができた。平成26年度は、解析をさらに進めよりスペクトルとビーム集光位置の関係を明らかにした。また、共鳴モードと外部強振の影響も調べた。 直径53ミクロンの円形開口をもつデバイスを作製し、そこに水表面(気液界面)を形成した。この界面にレーザー光を集光し、そのスポット位置を周縁部から中心に向けて変化させ、散乱スペクトルを取得した。各スペクトルには、(1,1)モード(84.8 kHz)から(1,4)モード(225 kHz)のピークが現れたが、位置によりその強弱が変化する様子が観察され、その強弱が空間モードの節と腹の位置から説明できた。周波数ごとに共鳴モードの空間分布に対応した信号が得られたことで、これまでの帰属が正しいことが裏付けられた。 次に直径48ミクロンの円形開口をもつデバイスに、500 kHzで振動するピエゾ素子を取り付け外部からの強制振動の影響を調べた。強制振動を印加しない条件では、(1,4)モード、 (1,6)モードといったn回対称モードが現れた。次に500 kHzの超音波をデバイス全体に印加したところ、n回対称モードが消え、 (3,0)モード、(4,0)モードが現れた。超音波が円形開口周縁を同位相で振動させるために、n回対称モードよりも、円形モードが存在しやすいことを示唆する結果を得た。 これらの結果から、界面張力波共鳴に関する基礎的な知見を積み上げることができ、新規な界面光分析法として、測定に適した条件を考察する基盤が整備された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の進展により、界面張力波共鳴現象の特徴とその光計測上の条件設定が次第に明らかになった。新しい界面光計測法として基盤が整いつつあり、順調に成果が上がっているといえる。一方で、平成25年度末からの検出レーザー不調・復帰などの影響もあり、期待通りのナノ流体界面計測には至らなかった。ナノ流体計測は挑戦的要素の高い課題であり、成功すればマイクロ・ナノ化学分野への波及効果も大きい。本研究のこれまでに成果をもとに引き続き挑戦を続ける予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は本年度で終了するが、ナノ流体計測は挑戦的要素の高い課題であり、現在解明が進められているナノサイズ液体物性界面物性の観点からも、重要である。本研究のこれまでに成果をもとに引き続き挑戦を続ける予定である。
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Causes of Carryover |
平成25年度終わりから検出用レーザーが不調となりメンテナンスを行った。レーザーチューブ交換を考えたが、経過を見たところ十分な安定性が確保できたために、チューブ交換を行わず研究を継続することとした。このため2ヶ月程度の研究の遅れが出た。また、ナノ流体界面計測を行ったところ、期待通りの信号が得られず新たな構造作製に取り組むこととしたため、1年の事業期間延長が必要となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ナノ流体界面解析とその結果の学会発表、論文発表を次年度に行うこととしたため、未使用額は実験用物品費、学会発表のための旅費、論文作成などに関わる人件費・謝金・その他にあてることとした。
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Research Products
(26 results)
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[Journal Article] Dual-view flow channel visualization2014
Author(s)
A. Hibara, Y. Kazama, E.T. Carlen, and A. van den Berg
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Journal Title
Proceedings of the 18th International Conference on Miniaturized Systems for Chemistry and Life Science
Volume: 2014
Pages: 2342-2344
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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