2013 Fiscal Year Annual Research Report
様々なノット(結び目)を有するリングポリマーの精密合成とトポロジーの可視化
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24350056
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高野 敦志 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00236241)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 環状高分子 / 結び目 / SEC / IC / ポリイソプレン |
Research Abstract |
イソプレンのリビングアニオン重合により、両末端に1,1-ジフェニルエチレン型ビニル基を有する分子量10万のテレケリックポリイソプレンを合成し、さらに環化反応により環状ポリイソプレン試料を合成した。その際、結び目のある環状試料とない環状試料を合成するために、環化反応を貧溶媒中、ならびに良溶媒中で行った。環化反応生成物中から、環状高分子を単離するために、両試料とも(1)貧溶媒を用いた沈殿分別、(2)SEC分取、さらに(3)臨界条件クロマトグラフィー(LCCC)分取、あるいは相互作用クロマトグラフィー(IC)分取、により純度95%以上の環状試料をそれぞれ200mg以上調製した。さらに線状、および環状2試料はヒドロシリル化反応によりジメチルクロロシリル基を導入し、分子量7,000程度のリビングポリスチレンとのカップリング反応により、ブラシ状高分子へ変換した。得られた3種のブラシ状高分子はクロロホルム溶液としてグラファイト基板上へキャストした後、原子間力顕微鏡(AFM)により実空間観察を行った。いずれの試料からも、分子の輪郭(一次構造)を直接観察することができ、主鎖分子の一次構造が直接反映された構造が確認された。また、貧溶媒中での環化反応で生成したブラシ状環状高分子試料のAFM観察より、実際に結び目を持つ環状高分子が生成していることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目は線状試料、ならびに2種類の環状試料をブラシ状試料へと変換することができ、そのキャラクタリゼーションを行うことができた。さらにブラシ状試料を利用してAFM観察に着手することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
線状試料、および2種類の環状試料をブラシ状試料へ変換する反応において、グラフト化率を向上させ、より明確に結び目の構造を調べることができるようにするため、官能基変換の見直しなど、ポリスチレン鎖のグラフト化反応の検討を試みる。
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