2013 Fiscal Year Annual Research Report
特異的分子認識により配列制御された超分子ブロック共重合体の創製
Project/Area Number |
24350060
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
灰野 岳晴 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80253053)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 超分子化学 / フラーレン / ポルフィリン / 交互共重合体 / ポリマー |
Research Abstract |
共重合体の配列構造制御はポリマーの物性を自在に制御するための有効な手段である。そこで,本申請では複数のモノマーよりなる交互共重合体やグラフト共重合体の精密構造制御を目的として,超分子化学を利用した新たなABC型交互共重合体や,構造制御されたグラフト共重合体の合成手法を開発する。 我々はこれまでに,カリックス[5]アレーンがフラーレンの有効なホスト分子であることを見出している。そこで,この分子認識を駆動力に重合する超分子ポリマーや超分子ネットワークの合成に成功した。溶液中の拡散係数や溶液粘度は超分子ポリマーの生成を強く示唆していた。さらに,原子間力顕微鏡による観察から,一次元のポリマーが規則的に配列している興味深い構造が確認された。さらに,超分子ポリマーネットワークは乱れたハニカム状の構造を形成していることがわかった。以上,AB型の超分子フラーレン交互共重合体の合成に成功した。 二つのポルフィリンをピリジンジカルボキシアミドで架橋したビスポルフィリンクレフトが溶液中でトリニトロフルオレノン(TNF)などの電子不足芳香族ゲスト分子と電荷移動相互作用により包接錯体を形成することを見いだしている。そこで,我々は亜鉛ビスポルフィリンクレフトの特異な包接構造を利用した超分子ポリマーを構築した。さらに架橋結合を導入することで,自立膜を形成するほど安定な超分子共重合ポリマーの合成に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的化合物の合成を終了し,現在超分子重合体の物性や重合構造に関する知見を得ているところである。研究計画の段階では,合成が難しいと思われた超分子ポリマー構造も無事達成され,一部の研究成果は論文として発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
超分子グラフト共重合体の合成にも成功しており,新たなグラフト鎖の導入法を見いだすことができている。これらの知見を元に,新規な構造を有するポリマーブラシや超分子共重合ブロックポリマーの合成を行うことで新たなナノ構造制御の手法を開発する。
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Research Products
(55 results)