2013 Fiscal Year Annual Research Report
糖認識環状ホストを部品とするカプセル型高次構造とアロステリックな分子認識系の創製
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24350066
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
阿部 肇 富山大学, 大学院医学薬学研究部(薬学), 准教授 (10324055)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | トリフェノール / 自己組織化 / 糖 / ホスト・ゲスト化学 / カプセル型分子 |
Research Abstract |
本研究で目的とする糖認識カプセル型分子の構築へ向け、ピリジン環を持たせる母骨格として、申請者が以前に開発したトリフェノール型ホスト分子 (Abe, H.; Aoyagi, Y.; Inouye, M. Org. Lett., 2005, 7, 59-61.) を新たに用い、検討を行った。トリフェノール型ホスト分子が持つ3個のフェノール環の、ヒドロキシ基それぞれのオルト位にヨウ素化、引き続き鈴木カップリングにより3個のピリジン環を導入し、三座配位子とした。この分子に錯体前駆体として Pd(dppp)(OTf)2 もしくは Pd(en)(NO3)2 を作用させたところ、Pd と三座配位子が 2:3 のモル比で組み合わさり、カプセル型錯体を作ることが分かった。 エチニルピリジン大環状ホスト分子については、その平面構造の自己組織化により、積層構造や、繊維状構造をとることが分かってきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」の欄に上記したように、トリフェノール型ホスト分子の利用により、カプセル型錯体の構築に成功した。当初の研究目的で利用を予定していたエチニルピリジン大環状分子については、超分子構造として積層型構造をとらせることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
トリフェノール型ホスト分子を基礎としたカプセル型錯体、エチニルピリジン大環状分子を基礎とした積層構造について、ホスト分子としての機能評価および展開を行う。会合の強度や選択性について、糖質をゲストとする場合、さらに糖質以外の水素結合性分子をゲストとした場合について、定性、定量的な評価を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究で使用する分析機器が年度末近くになり不調をきたし、その対応や必要な保守部品の調達の見極めのために残高を確保する必要があった。 分析機器の修理、保守に必要な部品の購入や修理依頼のために、状況が確定し次第使用する。
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Research Products
(9 results)