2013 Fiscal Year Annual Research Report
渡環型白金錯体の集合分散制御に基づく高輝度リン光性物質の開拓
Project/Area Number |
24350070
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
直田 健 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (20164113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小宮 成義 大阪大学, 基礎工学研究科, 講師 (00301276)
川守田 創一郎 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (00708472)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 固体発光 / 燐光 / 白金錯体 / 分子集合 |
Research Abstract |
強いりん光性固体発光材料の開拓は、高輝度デバイス開発の観点から、また、分子の配座や配列と発光挙動の関係を詳細に解明する基礎研究の観点から注目される。本年度は、長鎖アルキル基を有するトランス-ビス(サリチルアルジミナト)白金(II)錯体結晶における分子間相互作用と発光挙動の関係を解明した。本白金錯体は、再結晶条件により、発光強度及びその熱耐性の異なる結晶多形を作りわけが可能であることが明らかとなった。これらの速度論的結晶および熱力学的結晶はいずれもラメラ構造であるが、同一結晶内の白金配位平面どうしの配列が異なることが明らかとなった。垂直積層型の速度論結晶は発光強度の高い熱耐性を示すのに対し、連続πスタック型の熱力学的結晶が発光強度の小さい熱失活型であった。本研究は、従来の分子単体の発光性のみに依拠してきたこれまでの固体発光研究に新しい知見を与えるものとして重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
発光強度及びその熱耐性の異なる結晶多形を作りわけることにより、結晶配列と発光強度の関係を明らかにした。本研究は、従来の分子単体の発光性のみに依拠してきたこれまでの固体発光研究に新しい知見を与えるものとして重要である。
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Strategy for Future Research Activity |
(今後の推進方策) 高輝度材料開拓のための分子間相互作用と分子集合法に関するさらなる基礎的知見を得ることに注力する。その目的のため、イミノピロールやイミノフェニル錯体など種々の新規プラットフォームを有する金属錯体の設計し、結晶化、混晶化、非晶化、ゲル化、液晶化、ホスト混合、マトリクス化等に関する外部因子制御を含めた多様な分子集合制御を構築したい。 (次年度の使用計画) 次年度は、高輝度材料開拓のための分子間相互作用と分子集合法の関係を解明するため、白金、イリジウム、金、銅錯体の基本原料を購入し、いくつかの新規発光性錯体を合成し、分子集合制御を利用することで、新しい概念による結晶発光性プラットフォームを構築していきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究が順調に進捗し、残額は次年度の試薬を購入することとしたため。 合成試薬の購入。
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Research Products
(30 results)