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2013 Fiscal Year Annual Research Report

環状ジヌクレオチドの生理活性探索・免疫機能発現機構の解明と新規免疫賦活剤の開発

Research Project

Project/Area Number 24350087
Research InstitutionAichi Institute of Technology

Principal Investigator

早川 芳宏  愛知工業大学, 工学部, 教授 (50022702)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 西村 聡子  愛知工業大学, 工学部, 准教授 (90609322)
太田 美智男  椙山女学園大学, 看護学部, 教授 (20111841)
兵藤 守  北海道大学, 薬学研究科(研究院), その他 (30548186)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2016-03-31
Keywords環状ジヌクレオチド / c-di-GMP / c[G(3'-5')pA(3'-5')p] / c[G(2'-5')pA(3'-5')p] / 免疫 / STING
Research Abstract

①2013年に Chen らにより発見された「細胞質に侵入したDNAを認識して免疫応答を行う際にシグナル伝達を担い、STINGに結合する新規小分子核酸化合物」について、発見当初はc[G(3'-5')pA(3'-5')p] であると考えられていたこの化合物の構造は間違いであり、天然には珍しい2’-5’-インターヌクレオチド結合をもつ c[G(2'-5')pA(3'-5')p] であることを明らかにした(発表文献(1))。さらに、 c[G(2'-5')pA(3'-5')p]がヒト由来のSTINGタンパク質に結合することも明らかにした。この結果と、これまで報告した研究成果 (Nature, 2011, 478, 515-519)を考え合わせ、これまで不明であったDNAによる免疫応答のメカニズム、すなわち、細胞内へ外来DNA が侵入すると、それが cGASタンパク質に認識され、同細胞でc[G(2'-5')pA(3'-5')p]が生合成され、このc[G(2'-5')pA(3'-5')p]がSTINGに結合することによりTBK1-IRF3経路を介して1型インターフェロンを誘導するというメカニズムを解明した(発表論文1)。この研究成果は、重要な成果として、全国紙日本経済新聞のほか中日新聞を始めとする多数の地方新聞に掲載され、また、ネット上でも広く紹介され、一般社会への発信ができた。
②近年、大きな興味がもたれている細胞質におけるDNAの免疫応答に関して、これまで知られていたSTINGにより産生される1型インターフェロンが大きく関わることにより誘起される免疫応答とは異なり、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ (IDO) が細胞質のDNAを認識することにより誘起される免疫抑制があることを明らかにした。さらに c-di-GMPなどの環状ジヌクレオチドによるSTINGの活性化において1型インターフェロンの誘導だけでなくTh1経路の抑制も起こっていることを明らかにした。これらのことにより、環状ジヌクレオチドが、DNA sensing において重要な役割を果たしている可能性があることを示唆した(発表論文2)。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

①まず、本研究の目的の一つであるc-di-GMPの免疫促進作用のメカニズム解明に不可欠なc-di-GMP/STING複合体の単離に向け、それに必要なビオチン基を導入したc-di-GMPの合成に成功した(未発表)。これによって、目的とするc-di-GMP/STING複合体の単離を達成できる目処がついた。
②また、もう一つの目的であるc-di-GMP関連化合物の新規生理活性の探索においては、c-di-GMP同様強い免疫活性化促進能を有するc[G(2'-5')pA(3'-5')p] を、海外共同研究者の米国カリフォルニア大学バークレー校のRussell Vanceらと発見した(発表論文1)。この化合物はこれまで天然にはほとんど見られない2'-5'-インターヌクレオチド結合をもつため、構造学的にも生物学的にも興味深い化合物であり、今後の格好な研究対象となる化合物である。したがって、この化合物の発見は、最終的には本研究の最大の成果の一つになるかもしれない貴重な発見である。
③さらに、c-di-GMPを始めとする環状ジヌクレオチドが、DNA sensing において重要な役割を果たしている可能性があることを示唆した(発表論文2)。
これらのうち、②、③の成果は想定外の成果であり、新規な研究テーマを惹起させるものである。
このように、研究は所期の目的に沿った成果を生みつつあるとともに、新しい研究課題も生みつつあり、結論として、研究は順調に進んでいると判断する。

Strategy for Future Research Activity

前述のように、c-di-GMP/STING複合体の単離に必要なビオチン基を導入したc-di-GMPの合成に成功したので、今後は同化合物を用いたc-di-GMP/STING複合体の単離研究を行い、単離に成功した暁には、その構造解析を行いたい。
今年度発見したc[G(2'-5')pA(3'-5')p] に関して、この化合物は酵素に対して安定な2'-5'-インターヌクレオチド結合をもつため、c-di-GMPよりも優れた生理活性を有することが期待される。実際、発見当時の予備的研究では、c[G(2'-5')pA(3'-5')p] は3'-5'-インターヌクレオチド結合しかもたないc-di-GMPや類似化合物であるc[G(3'-5')pA(3'-5')p]と比べて、活性の持続性が高いことがわかっている。したがって、今後、c[G(2'-5')pA(3'-5')p] の生理活性探索研究を積極的に行いたい。

  • Research Products

    (2 results)

All 2013

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results)

  • [Journal Article] The innate DNA sensor cGAS produces a non-canonical cyclic-di-nucleotide that activates human STING.2013

    • Author(s)
      Elie J. Diner, Dara L. Burdette, Stephen C. Wilson, Kathryn M. Monroe, Colleen A. Kellenberger, Mamoru Hyodo, Yoshihiro Hayakawa, Ming C. Hammond, and Russell E. Vance
    • Journal Title

      Cell Reports

      Volume: 3 Pages: 1355, 1361

    • DOI

      10.1016/j.celrep.2013.05.009

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Cutting Edge: DNA Sensing via the Stimulator of Interferon Genes (STING) Adaptor in Myeloid Dendritic Cells Induces Potent Tolerogenic Responses.2013

    • Author(s)
      abak Baban, Glen N. Barber, Yoshihiro Hayakawa, Tracy L. McGaha, David H. Munn, and Andrew L. Mellor
    • Journal Title

      J. Immunology

      Volume: 191 Pages: 3509, 3513

    • DOI

      10.4049/jimmunol.13014919

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2015-05-28  

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