2014 Fiscal Year Annual Research Report
メタロ超分子ポリマーを用いた不揮発性メモリデバイス
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24350097
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
樋口 昌芳 独立行政法人物質・材料研究機構, 先端的共通技術部門, グループリーダー (80306852)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | メタロ超分子ポリマー / 不揮発性メモリ |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】本研究は、メタロ超分子ポリマーの電気伝導機構を解明し、RAM特性を有する不揮発性メモリを開発することを目的としている。具体的には、金属イオンや有機モジュールの異なるメタロ超分子ポリマーを用いることで、ポリマー鎖内及び鎖間の電子移動過程を解明し、低電圧あつ高速で駆動する不揮発性メモリデバイスを開発する。
【平成26年度研究実績】これまでに、コバルトイオンからなるメタロ超分子ポリマー膜のI-V特性を測定し、5Vで電流の可逆なスイッチング変化が起こり、これにより不揮発性メモリ特性が発現することを明らかにしている。平成26年度は、白金イオンを含むメタロ超分子ポリマーの開発を行った。用いる有機モジュールの2つの配位部位を異なる構造にすることで、非対称型の有機モジュールを合成した。この有機モジュールと白金イオンを錯形成させることで、白金イオンを含むメタロ超分子ポリマーを得た。興味深いことに、得られたメタロ超分子ポリマーにおいて、非対称型の有機モジュールの向きが揃っていることが示唆された。この結果、本メタロ超分子ポリマーは、一方向に揃った双極子モーメントを有している。このポリマーを電極基板上に配列させ電気伝導特性を測定したところ、新しい電子物性が観測された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回、非対称型有機モジュールを用いて、一方向の双極子モーメントを有するメタロ超分子ポリマーを開発したことで、「金属イオンや有機モジュールの異なるメタロ超分子ポリマーを用いることで、ポリマー鎖内及び鎖間の電荷移動過程を解明する」という研究目的に対して研究の進展が見られた。
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Strategy for Future Research Activity |
非対称型有機モジュールを用いて合成したメタロ超分子ポリマーにおいて、興味深い電子物性が観測されている。本物性の証明のため、構造の異なるメタロ超分子ポリマーの合成を行う。
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Causes of Carryover |
平成26年度の研究課題である「分子設計に基づく新しい不揮発性メモリデバイスの確立」を目指したところ、非対称型有機配位子を用いて合成したメタロ超分子ポリマーにおいて、新しい電子物性が観測された。本物性の証明には、別のメタロ超分子ポリマーでの確認が必須であるが、そのポリマーの合成に時間がかかるため、事業期間の延長が必要となった。また、本延長に伴い、予定していた研究発表も次年度に行うこととなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
未使用額は、メタロ超分子ポリマーを合成するための試薬やガラス器具等の物品費、及び成果発表の旅費に充当する。
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