2013 Fiscal Year Annual Research Report
有機系光電変換エコデバイスへの新規光有効利用層の提案とその配設に関する研究
Project/Area Number |
24350102
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Research Institution | Kumamoto Industrial Research Institute |
Principal Investigator |
永岡 昭二 熊本県産業技術センター(ものづくり室、材料・地域資源室、食品加工室), 材料・地域資源室, 研究主幹 (10227994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊原 博隆 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (10151648)
堀川 真希 熊本県産業技術センター(ものづくり室、材料・地域資源室、食品加工室), その他部局等, 研究員 (50588465)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 光有効利用 / 波長変換 / 光取出し / 光閉じこめ / 複合微粒子 |
Research Abstract |
本研究開発では、有機EL、太陽電池など、光電変換エコデバイスにおいて、高い光取り出し効率、光閉じこめ効率を発現する光散乱層と光電変換効率の向上を促す光波長変換層を構築し、発光・発電素子の能力を最大限に生かすことができる、「光有効利用層」の開発を行うことを目的としている。今年度は、独自技術に基づいて、ポリマー球状粒子を支持体に高屈折材、波長変換材あるいは放熱材料が表面を被覆した複合粒子を開発した。 1.高屈折材/ポリマー複合球状粒子の調製 独自技術により、ポリマー球状粒子を支持体に高屈折材が表面を被覆した複合粒子を開発した。アクリル酸エステル微粒子をアルカリ化で加水分解し、部分加水分解されたアクリル酸微粒子を得た。数百ナノメーター程度のいがぐり状の酸化チタン微粒子を静電的に結合させることによって、酸化チタンが集積したアクリルポリマー/屈折材複合微粒子(コア/シェル微粒子)を得た。光電変換効率の向上を24年度と同様、検討中である。また、放熱性も検討するため、窒化ホウ素を静電的に結合させることもできた。これらの微粒子を用いて、熱伝導性の向上を検討した。 2.光波長変換材/ポリマー複合球状粒子の調製 独自技術により、ポリマー球状粒子を支持体に波長変換材が表面を被覆した複合粒子を開発できた。イットリウム、ストロンチウム系の蛍光材料を利用し、コアシェル粒子を調製することができた。現在のところ、耐水性が脆弱である蛍光材料の特性を向上させることができている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度、基本的な太陽電池セルに対して、お幅な光電変換効率の向上が確認された。コアシェル粒子の利点を生かし、光散乱性、放熱性、耐水性を向上させることができている。変換効率は、1.86倍にも達し、今後の展開が期待できる。 特許出願1件、国内学会5件、国際学会1件、JST新技術説明会1件公表済み。JST新技術説明会では、71名の参加者があり、興味を持たれた。
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Strategy for Future Research Activity |
1)光散乱材においては、変則な表面を有し、今までにない、光散乱性を有する酸化チタン微粒子を用いることも検討する。太陽電池セルを作成し、その評価を行う。 2)蛍光材料は、アルミン酸ストロンチウム、イットリウム系の残光性蛍光材料にビニル基を修飾した。これを懸濁重合により、コアシェル微粒子化に成功した。今後は、今後は、発光効率の評価を行う。また、薄膜を作成し、波長変換フィルムとしての評価を実施する。 3)放熱性も検討するため、窒化ホウ素を静電的に結合させることもでき、熱伝導性の向上も検討した。 窒化ホウ素をシェルとするポリマー微粒子を調製し、放熱材料を低減化できる技術を確立する。これを用いて、熱伝導性が良好な放熱基板を作成する。
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