2014 Fiscal Year Annual Research Report
無容器溶融法による非平衡バルクガラス合成プロセスの研究
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24350111
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Research Institution | Japan Synchrotron Radiation Research Institute |
Principal Investigator |
小原 真司 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門, 主幹研究員 (90360833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増野 敦信 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (00378879)
藤原 明比古 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門, 主席研究員 (70272458)
田原 周太 琉球大学, 理学部, 助教 (80468959)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 酸化物ガラス / 液体 / 無容器浮遊法 / 構造解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、ガス浮遊炉の高度化の一環として、揮発性の高い液体をガス圧により押させるための加圧型チャンバーの開発に着手した。時間的にも予算的にもまだ未完成であるが、引き続き、加圧型チャンバーの開発を行う。 耐火材料として知られている高融点酸化物である二酸化ジルコニウムはガラスにならないことで知られているが、その液体の無容器X線回折実験に成功した。さらに宇宙研究開発機構の石川らが行った密度測定のデータ、研究協力者のフィンランドのAkolaのグループと共同で行った大規模分子動力学シミュレーションを行うことで、ガラスにならない液体の原子・電子構造を明らかにすることに成功した。得られた結果は、英国科学誌Nature Communicationsに受理され、Nature Asiaの注目の論文に選出された。 平成26年度までにノズル形状の改良、浮遊ガス流量の増大、組成の拡張によって、これまでまれにしか合成に成功しなかった直径3.5~4.3mmのTiO2系、Nb2O5系、La2O3系超高屈折率ガラス球を、失敗無く作製できる技術の開発に成功した。屈折率評価法として、これまでのエリプソメータを用いていたが、アッベ数30を超える低分散ガラスの場合、各屈折率の測定精度に問題があった。そのため今年度は、新たに精密屈折計を用いることで、小数点以下5桁という精密な屈折率を測定することができた。これは、得られるガラス球の直径が3.5mmを超えたために可能となった手法である。組成開発の点では,La2O3-Ta2O5-Al2O3や、La2O3-Ta2O5-B2O3などの新しい無色透明な高屈折率三元系ガラスの開発に成功した。また、密度やラマン散乱スペクトルなどを調べた結果,本研究期間内に新たに合成したガラスは、いずれも従来のネットワーク形成型酸化物ガラスとは異なることが明らかとなった。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] Atomic and electronic structures of an extremely fragile liquid2014
Author(s)
S. Kohara, J. Akola, L. Patrikeev, M. Ropo, K. Ohara, M. Itou, A. Fujiwara, J. Yahiro, J. T. Okada, T. Ishikawa, A. Mizuno, A. Masuno, Y. Watanabe, T. Usuki
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 5
Pages: 5892-1-8
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] X線回折とDF-MDシミュレーションを用いたZrO2融体の構造解析2015
Author(s)
小原真司, J. Akola, L. Patrikeev, M. Ropo, 尾原幸治, 伊藤真義, 藤原明比古, 八尋惇平, 岡田純平, 石川毅彦, 水野章敏, 渡邊康裕, 増野敦信, 臼杵 毅
Organizer
第28回日本放射光学会年会 放射光科学合同シンポジウム
Place of Presentation
立命館大学びわこ・くさつキャンパス(滋賀県草津市)
Year and Date
2015-01-10 – 2015-01-12
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[Presentation] アルミン酸カルシウムガラスの原子・電子レベル構造解析2014
Author(s)
小原真司, J. Akola, 尾原幸治, 藤原明比古, 渡邊康裕, 増野敦信, 臼杵 毅, 久保 敬, 中平 敦, 新田清文, 宇留賀朋哉, J. K. R. Weber, C. J. Benmore
Organizer
日本セラミックス協会第27回秋季シンポジウム
Place of Presentation
鹿児島大学(鹿児島県鹿児島市)
Year and Date
2014-09-09 – 2014-09-11
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[Presentation] 放射光X線回折とDF-MDシミュレーションを用いたZrO2融体の構造解析2014
Author(s)
小原真司, J. Akola, L. Patrikeev, M. Ropo, 尾原幸治, 伊藤真義, 藤原明比古, 八尋惇平, 岡田純平, 石川毅彦, 水野章敏, 渡邊康裕, 増野敦信, 臼杵 毅
Organizer
日本セラミックス協会第27回秋季シンポジウム
Place of Presentation
鹿児島大学(鹿児島県鹿児島市)
Year and Date
2014-09-09 – 2014-09-11
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[Presentation] V2O5ガラスの構造2014
Author(s)
田原周太, 小原真司, 尾原幸治, 藤原明比古, 青柳拓也, 深水孝則
Organizer
日本セラミックス協会第27回秋季シンポジウム
Place of Presentation
鹿児島大学(鹿児島県鹿児島市)
Year and Date
2014-09-09 – 2014-09-11
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[Presentation] Atomic and electronic structure of levitated ZrO2 liquid2014
Author(s)
S. Kohara, J. Akola, L. Patrikeev, K. Ohara, M. Itou, A. Fujiwara, J. Yahiro, J. T. Okada, T. Ishikawa, A. Mizuno, A. Masuno, Y. Watanabe, and T. Usuki
Organizer
Liquids 2014
Place of Presentation
リスボン(ポルトガル国)
Year and Date
2014-07-21 – 2014-07-25
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[Presentation] Network topology for the formation of solvated electrons in CaO-Al2O3 glasses2014
Author(s)
S. Kohara, J. Akola, K. Ohara, A. Fujiwara, Y. Watanabe, A. Masuno, T. Usuki, T. Kubo, A. Nakahira, K. Nitta, T. Uruga, J. K. R. Weber, and C. J. Benmore
Organizer
The Eighth International Conference on the Science and Technology for Advanced Ceramics
Place of Presentation
メルパルク横浜(神奈川県横浜市)
Year and Date
2014-06-25 – 2014-06-27
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