2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24350119
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木村 恒久 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (40264593)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 擬単結晶 / セルロース / メソクリスタル / 磁気プロセッシング / 三次元配向 |
Research Abstract |
(1)メソクリスタル化: X線回折測定よりセルロースの繰り返しユニットであるセロビオースの磁化率の異方性データを得ることに成功した.この磁化率の異方性決定方法が色々な分野で用いることができる事を示した.更に,微細化されたセルロースの磁場配向試料より,セルロースの相関長を求めることに成功した. 媒体を除去して天然のセルロース結晶と同様の結晶構造を有するセルロースメソクリスタル(巨大単結晶)を作製するため,スリップキャスト法でアラニン微結晶を用いて変調磁場下での三次元配向を試みた.その結果アラニン微結晶の3次元配向サンプルの作製に成功した.その際初期濃度は40%であったが,スリップキャスト法より作製したので,更に高濃度な3次元配向体が得られた.媒体なしの有機物の3次元配向材料はまだ試みられていないので,この予備実験の成功は少なくも50%以上の高濃度の3次元配向体の作製が可能であることを示している. (2)構造解析: X線回折測定により,配向支持体のゲル化および凍結を経て作製したリゾチーム擬単結晶の結晶構造解析を行った.その結果,UV樹脂3次元配向体に比べ0.05nm分解能が向上した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(A) セルロースメソクリスタルの作製:磁化率異方性の違いにより印加する変調磁場の最適化についての知見は既に得ている.3次元配向体中の媒体を出来るだけ除く手法も確立しつつある.良いセルロース微結晶(CNC)が得られれば,セルロースメソクリスタルの作製できる状況である. (B)タンパク質の一つであるリゾチームでは,被解析結晶の回収が可能な擬単結晶化法を再確立した.
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Strategy for Future Research Activity |
良いセルロース微結晶(CNC)を酸加水分解,テンポ酸化,酵素分解により得る. 磁化率の決定など3次元配向するための条件を決定する. セルロース巨大単結晶を作製し,X線・中性子回折および固体NMR法によりセルロースの結晶に関する基礎的知見を集積する.セルロースメソクリスタルの構造設計と物性制御を図る. 希少タンパク質の結晶構造解析への応用展開を図る.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
タンパク質購入と結晶化に必要な試薬購入を考えていたが、安価な試薬を用いることにより、予算に余剰が生じた 中性子回折実験のための重水置換試薬及びタンパク質の購入と国際結晶学会2014の参加発表費用にあてる。
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