2012 Fiscal Year Annual Research Report
化学量論の本質により化学量論点と調和融解点を一致させたタンタル酸リチウムの創成
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24360002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宇田 聡 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (90361170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄司 一郎 中央大学, 理工学部, 教授 (90272385)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | LiTaO3 / 化学量論 / 調和融解組成 / 結晶化起電力 / 波長変換 / 自由度 |
Research Abstract |
本研究では、ダルトンの化学量論の本質を見直し、MgOドープにより化学量論組成と調和融解点が一致する新しいタンタル酸リチウム、cs-MgO:LTを開発する。この結晶は調和融解成長するので、従来の擬2成分系の化学量論のs-LT(Li2O : Ta2O5 = 50 : 50 )に比べ、育成結晶の組成均質性が非常に良くなっている。また、イオン種を含めたすべての融液構成種の偏析係数は1であるので真の調和融解結晶となり電荷を持つ点欠陥は存在しない。このためレーザー光の結晶内分散は極度に小さいことが期待できる。具体的には、cs-MgO:LT結晶の組成を決定することが本年度の目的である。 そこでcs-MgO:LT組成を2方法で検討した。(1)Ta2O5=50%ライン近傍の組成での融点分布を調べた。cs-MgO:LT組成は調和融解組成であることからTa2O5-Li2O-MgOの3成分系における最高融点となる組成であり、その組成が化学量論組成線であるTa2O5=50%ライン上の組成であれば、その組成がcs-MgO:LT組成である。その結果、Ta2O5=50%ライン上の9.2mol%MgOを添加した組成点(Ta2O5 : Li2O : MgO = 50.0 : 40.8 : 9.2)において融点が極大となり、この組成が3成分系における調和融解組成であることが分かった。また、この組成点は化学量論組成線上の組成であることから、この組成が調和融解組成と化学量論組成を満たすcs-MgO:LT組成である。(2) μ-PD装置を高温仕様へと改造してcs-MgO:LT組成における結晶化起電力の測定を行った。Seebeck 効果を考慮した解析から本組成では結晶化起電力がゼロになることが明らかになった。今回求めたcs-MgO:LT組成が調和融解組成と化学量論組成を同時に満たす組成であることを実験的に証明できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
示差熱分析装置の不具合により研究が遅れ、繰越金が生じた。その後、装置の調整も済み、研究は順調に進展した。これまでの研究成果を国際会議等で発表することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
1.実験により求めた組成の熱力学的解釈を完成させる。 2.本組成による融液からの結晶育成条件を早期に確立し、クラックなどのマクロ欠陥の無いcs-MgO:LTバルク結晶を作製する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
示差熱分析装置に不具合が生じ研究が遅れたため、次年度使用額が生じた。 次年度使用額は、示差熱分析装置の不具合により研究が遅れたため発生したが、その後、装置の調整も済み、研究は順調に進展している。次年度請求額とあわせ、今後の実験に必要な消耗品等を購入する他、国際会議等での成果発表の旅費に使用する。
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