2012 Fiscal Year Annual Research Report
電極が不要な禁制帯内の包括的マルチレベル分光手法の開拓
Project/Area Number |
24360005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
鎌田 憲彦 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (50211173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 武司 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (40509121)
平山 秀樹 埼玉大学, 理化学研究所・平山量子光素子研究室, 主任研究員 (70270593)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | フォトルミネッセンス / 半導体 / 非発光再結合準位 |
Research Abstract |
近年実用化されたスペクトル幅の広い白色レーザー光源を利用して、発光素子用半導体、蛍光体等に混入して発光効率低下をもたらす非発光再結合準位、動作不安定性や信頼性低下をもたらすキャリア捕獲準位等の禁制帯内準位を一括励起し、バンド間励起光で生じるフォトルミネッセンスの強度変動をストリークカメラで精密観測する。この手法をベースに、複数準位相互の影響を一括検出し、定量評価するというマルチレベル分光手法の可能性を新たに提示することを目指す。 この手法が実現すれば、これまで別個に扱われていた非発光再結合準位、捕獲準位の双方を、電極を用いずに包括的に検出・解析し、素子特性に支配的な影響を及ぼす準位の選別、そのエネルギー、密度、電子・正孔捕獲率の導出等が可能となり、物質科学、および素子応用上有益と考えられる。 平成24年度はスタート年度として (1)可視~近赤外域の連続スペクトル幅を持った白色レーザー光源をBGE光源として選択し、導入、整備した。 またAGE光源、時分解測定装置と組み合わせて、禁制帯内準位に対する包括的な2波長励起PL測定が可能な分光測定系を構築した。 (2)再結合レート方程式モデル解析の準備として、AGE光源、BGE光源の波長幅、出力、ビームプロファイル等を測定した。 (3)2波長励起フォトルミネッセンスによる禁制帯内準位の評価のため、AIGaN系量子井戸の試料構造、成長条件を検討し、MOCVD成長を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究にとって白色レーザー光源の導入は重要であり、仕様の策定から導入までに予想以上の期間がかかった。これは、候補機種の中で供給側の事情により仕様の提出までに時間を要した部分があったためである。とは言え従来光源での測定で成果を挙げ、また導入後は速やかに装置の整備を進めて予備測定に至っており、全体計画としてはほぼ順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
白色光源の導入が終わり、熱ルミネッセンス測定装置の不具合も修理により解消したため、25年度は実際の国学的測定評価を中心的に進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
白色光源の十分な調査と導入方針の設定、熱ルミネッセンス測定装置の修理により、初年度部分での効率的な支出ができ、厳しい全体予算の中で25年度に費用を繰り越すことができた。2波長励起フォトルミネッセンス測定を進める中で、半導体レーザーや各種光学部材等の消耗品は不可欠であり、これらに有効に支出する。
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Research Products
(11 results)