2014 Fiscal Year Annual Research Report
貼り合せ金属酸化物における高配向転位フィラメント伝導の機構・機能探索
Project/Area Number |
24360017
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
酒井 朗 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (20314031)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 転位 / 金属酸化物 / 電気伝導 / 還元 / 酸素空孔 / フォーミング / 抵抗スイッチング / 集束イオンビーム加工 |
Outline of Annual Research Achievements |
単結晶NbドープSrTiO3(STO)基板と貼り合わせ・原子接合NbドープSTO基板の電気伝導特性を測定し、両者を比較した。この際、金属/STO/金属2端子素子の上下金属電極素材としてAlもしくはAuを選択することで、両極もしくは片極に、オーム特性もしくはショットキー特性を発現させ、電圧印加周波数、掃引範囲、電圧パルス幅・間隔をパラメータとして電流-電圧特性を計測した。その結果、両基板ともに片極ショットキー特性を示す素子において、明瞭で再現性のあるヒステリシスカーブが観測され、抵抗スイッチングの発現を確認した。電流-電圧特性に対する電気伝導機構の解析から、電極/STO界面の電荷トラップ・デトラップによる高抵抗・低抵抗状態の遷移が示唆され、単結晶基板では特に空間電荷制限電流の特徴が認められた。また、直接接合基板における抵抗比は単結晶基板のそれに比べて小さく、これより、接合界面に存在する転位ネットワークを優先的に流れる電流が存在することが示唆された。 一方、正電荷をもつ酸素空孔が結晶内に生成される還元熱処理ノンドープSTOに対しても、上記と同様に、単結晶基板と貼り合わせ・原子接合基板を準備し、両者の電気伝導特性を比較した。特に接合基板サンプルに対しては、接合界面の転位の存在箇所を特定し、FIB(集束イオンビーム加工)を駆使したマイクロメートルオーダー加工とイオン・電子線アシスト電極蒸着を行うことで、直接的に転位を電気伝導媒体とする2端子微細素子の作製に成功した。単結晶基板と接合基板の電気特性評価の結果を比較すると、前者では発現しないフォーミング現象が、後者では明瞭に観測された。この結果から、フォーミング過程における酸素空孔の再分布において、転位等の格子欠陥が重要な役割を果たすことが初めて明らかになった。また、フォーミング工程後の電流-電圧特性において、酸素空孔型のヒステリシスが発現することが確認された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)