2013 Fiscal Year Annual Research Report
超低電力・多波長同時制御マイクロリング・マッハツェンダー光スイッチの開発
Project/Area Number |
24360025
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
荒川 太郎 横浜国立大学, 工学研究院, 准教授 (40293170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國分 泰雄 横浜国立大学, 工学研究院, 理事・副学長,教授(工学研究院) (60134839)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マイクロリング共振器 / マッハ・ツェンダー干渉計 / 量子井戸 / 光スイッチ |
Research Abstract |
本研究では、マイクロリング共振器を両側アームに装荷し、プッシュプル駆動によって低動作電圧化が期待できる2×2 MRR-MZ光スイッチを提案し、設計、理論解析を行っている。今年度は、マイクロリング共振器を1つずつ両アームに有する光経路スイッチの設計を行った。コア層は多重量子井戸として、巨大な電界誘起屈折率変化を得られるInGaAs/InAlAs五層非対称結合量子井戸を用いることを想定し、量子閉じ込めシュタルク効果によってマイクロリング共振器の位相変調するものとした。今年度設計した光経路スイッチについて理論透過特性及びスイッチング特性の解析を行い、リング共振器の周回長約480ミクロンの素子において駆動電圧0.24 Vの低電圧動作の可能性を示した。また関連研究として、2次直列結合および4次直列結合マイクロリング素子の作製を行い、動作実証に成功した。これらの結果は、提案する光経路スイッチの更なる高性能化に寄与する。 さらに、上記で設計した素子の試作を行った。マイクロリング共振器とバスライン直線導波路との結合部は、微細な描画が必要で、またパターンの重ね描きによる位置ずれもできるだけ避けたい。そこで、導波路パターン、電極パターンの描画は全て電子ビーム露光装置を用い、誘導結合プラズマドライエッチングを用いて導波路構造を作製した。試作した素子の特性評価を試みたが、残念ながら、予期していた結果が得られなかった。その原因を調査したところ、結合部の溝が設計どおり形成されておらず、マイクロリング共振器とバスライン導波路と間の結合が大幅に低下していることが原因であることがわかった。そこで、プロセスの改善を検討した結果、溝部にリン酸が入り込まないプロセスを入れることで、この問題を解決できる見通しがたった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では、平成25年度中にマイクロリング共振器を1つずつ両アームに有するマッハ・ツェンダー干渉計型光経路スイッチの試作を終え、動作実証を行う予定であった。しかし、素子は一応完成したものの、期待した光経路スイッチング特性が得られなかったので、「やや遅れている」との評価とした。期待した特性が得られなかった原因を調査したところ、マイクロリング共振器とバスライン導波路の結合部の溝が設計どおり形成されておらず、マイクロリング共振器とバスライン導波路と間の結合が大幅に低下していることがわかった。これは、作製プロセスにおける、金属電極形成前のリン酸による表面処理の際に溝部に酸が入り込み、導波路がサイドエッチングされてしまったことが原因と考えられる。そこで、プロセスを検討した結果、溝部にリン酸が入り込まないプロセスを入れることで、この問題を解決できる見通しがたった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に実証予定であったマイクロリング共振器を1つずつ両アームに有するマッハ・ツェンダー干渉計型光経路スイッチの試作について、プロセス改善を進めて完成させ,プッシュ・プル動作の実証を行う。次にマイクロリング共振器のペア数を服すに増やしてカスケード化し、多波長同時制御光経路スイッチの設計および試作を行う。さらに、可能であれば、10GHz程度までの高速スイッチング動作の実証も行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品類の使用量が当初予定より少なかったため. 消耗品類に使用する.
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