2013 Fiscal Year Annual Research Report
オープンポーラス構造体の均質化非弾性構成式のための基礎理論構築とその応用
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24360045
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大野 信忠 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30115539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 大 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70362283)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 均質化 / 非弾性変形 / 構成式 / オープンポーラス体 |
Research Abstract |
平成24度に定式化した均質化非弾性構成式の適用性を検討するため,本年度は次の二種類のオープンポーラス構造体に関して研究を行った. 1.内圧を受ける厚肉多孔板 まず,内圧を受ける厚肉多孔板の均質化弾粘塑性挙動を明らかにするため,その単位セルに周期境界条件を課して単軸および多軸負荷のもとで有限要素解析を行った.母材は改良9Cr-1Mo鋼(550℃)とし,解析はポア圧p=0の場合とp=20 MPaの場合に行った.この結果,巨視的異方性,巨視的体積圧縮性,ポア圧依存性が粘塑性領域においても顕著に生じることが明らかとなった.つづいて,平成24度に定式化した均質化非弾性構成式を上述の多孔板に適用したところ,有限要素解析の結果がかなり精度よく表され,この均質化構成式の妥当性が示された. 2.ポア圧差を有するプレートフィン構造体 一次流路と二次流路でポア圧の異なるプレートフィン構造体の均質化弾粘塑性挙動を検討するため,まず,HillのMacro-homogeneity条件式を用いて理論的な検討を3つの代表的な場合に行った.次に,この検討結果を検証するため,単位セルに周期境界条件を課して有限要素解析を行った.負荷方向は積層方向とし,母材としてはひずみ速度依存性の小さい材料と適度に著しい材料の2種類を想定した.この結果,ひずみ速度依存性が小さい場合には引張負荷では一次流路ポア圧p1が,圧縮負荷では二次流路ポア圧p2が均質化粘塑性挙動を支配するのに対して,ひずみ速度依存性が適度に著しい場合にはp1とp2の平均値がマクロ的支配ポア圧となり,理論的検討結果が確かめられた.さらに,このようなポア圧依存性を考慮するため,平成24度に定式化した均質化非弾性構成式を拡張した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は2種類のオープンポーラス構造体の均質化弾粘塑性挙動を解析し,平成24年度に定式化した均質化非弾性構成式の妥当性を示した.ただし,簡単のため,母材のひずみ硬化を無視して検討を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度,一次流路と二次流路で異なるポア圧が作用するプレートフィン構造体の均質化非弾性挙動を解析し,母材のひずみ速度依存性が小さい場合には,引張負荷では一次流路側が,圧縮負荷では二次流路側が主に変形するという知見を得た.この知見は貴重であるが,母材のひずみ硬化を無視した場合の結果である.そこで次年度は,母材のひずみ硬化を考慮して均質化非弾性挙動を解析するとともに,平成24年度に定式化した均質化非弾性構成式もひずみ硬化を考慮して拡張する.
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