2014 Fiscal Year Annual Research Report
材料・力学メタモデル構築によるスプリングバック補正プレス金型の最適設計
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24360056
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
吉田 総仁 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50016797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日野 隆太郎 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10283160)
濱崎 洋 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30437579)
上森 武 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (70335701)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 板材成形 / プレス金型 / スプリングバック / 最適プロセス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度には,スプリングバックが最も大きく,また自動車産業でその対策に苦慮している,高張力鋼板のプレス成形問題を取り扱った.その代表的な例題として,U曲げにおけるスプリングバックを解消するための新しい工法を提案した.これは,素板をパンチとカウンタパンチによりクランプし,U曲げを行った後に,曲げコーナー部をパンチとダイスで挟んで圧縮(決め押し)を行い,最後にカウンタパンチにより底板を突き上げて逆曲げを加えるというものである.そのため,平頭パンチの頭部には掘り込みを設けている.スプリングバックの大きさを支配するプロセスパラメータとしては,①板のクランプ荷重,②決め押し荷重,③カウンタパンチ荷重があり,④パンチの頭部の掘り込み深さも影響する.これらを設計変数としてスプリングバックの大きさ(側壁の垂直度と底板の平坦度)を目的関数として最適な条件を決定した.この妥当性を検証するために,金型を設計し,780MPa,980MPa級の高張力鋼板を用いて実験を行い,本工法がスプリングバック解消に有効であることを確かめた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の主な目標である「スプリングバックを解消するための新しいU曲げ工法(曲げコーナー部の決め押しとカウンターパンチによる底板の逆曲げの付加)」とその「最適プロセスパラメータの決定」はほぼ達成できた.数値シミュレーションとともに,780MPa, 980MPa級の高張力鋼板を用いた実験検証でも満足な結果が得られている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度までにU曲げにおけるスプリングバックを解消するための新しい工法を提案し,その最適プロセスパラメータを決定することに成功した.これをさらに発展させるために,平成27年度ではハット成形におけるスプリングバック解消問題に取り組む.通常のドローベンドによるハット成形では側壁に大きな反りが発生してしまうことが問題である.そのための新しい工法は,U曲げで成功したコーナー決め押し+底板の突き上げによる曲げの付加に加え,フランジ押え板の位置制御を加える.このときの制御可能プロセスパラメータは,①板のクランプ荷重,②決め押し荷重,③カウンタパンチ荷重,④フランジ押え板位置であり,それに⑤金型形状決定パラメータが加わる.これらを設計変数とした最適プロセスパラメータをFEシミュレーションにより決定する.さらに,この工法の妥当性を検証するためのプレス実験を,高張力鋼板(590~980MPa級)を用いて行う.
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Causes of Carryover |
差額29,800円が生じた理由は,プレス実験金型の当初見積額と実際価格に差があり,それを他の実験消耗品で年度内の支出で解消することが(実験の進行の関係で)難しかったためである.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験計画に合わせて,物品購入を早目に手配し,予算の計画執行に努める.
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Research Products
(6 results)