2012 Fiscal Year Annual Research Report
自然事象の数理モデルと感性に基づく自然印象テクスチャ・形状の創発システムの開発
Project/Area Number |
24360061
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
青山 英樹 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40149894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大家 哲朗 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (10410846)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | デザイン創発 / テクスチャ / 自然印象 / 美的曲線 / 感性 / シボ / 木目 / 水玉 |
Research Abstract |
平成24年度の研究において,次の(1)~(4)のシステムを開発した. (1)自然事象の数理モデル化に基づくシボ(皮皺)模様の創発システム (a)自然事象内在する"フラクタル性"と"ゆらぎ性"の数理モデルを組合せ,シボ(皮皺)模様数理モデルを構築し,多様なシボ(皮皺)模様を創発するシステムを開発した. (2)自然事象の数理モデル化に基づく木目模様の創発システム (a)線分状の電荷(線電荷)ポテンシャルモデルを用いて,樹幹の数理モデルを構築した. (b)樹木生長を各年の体積の等差数列としてモデル化し,デジタル樹木モデルを構築した. (c)光合成速度を光量,水量,温度の関数としてモデル化し,樹木の各年の生長体積を光合成速度から求めた. (d)生育地,生育年,樹木種類を入力し,デジタル樹木を生長(構築)させるシステムを開発した. (3)自然事象の数理モデル化に基づく水玉・抽象柄模様の創発システムの開発 (a)水玉模様を構成する水玉直径とその個数の関係が両対数図において直線になるように水玉直径と個数を決定した. (b)水玉を平たい容器に入れ,振動・揺動運動を与え,水玉の衝突運動を繰り返し,配置を決定する水玉模様創発システムを開発した. (c)格子モデル内に金属凝固の結晶核を発生させ,各格子に凝固情報を組み込み,凝固則に基づく凝固成長の数理モデルを構築した. (d)金属の種類に基づき金属凝固環境を定めるインタフェースを構築し,環境により異なる多様な抽象柄模様を創発するシステムを開発した. (4)自然事象の数理モデル化に基づく美的曲線の創発システム (a)曲率とその出現頻度の関係を表す両対数図直線の傾きより,美的曲線を生成する数理モデルを開発した. (b)上記(a)の数理モデルを基に,美的曲線を創発するシステムを開発した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画が詳細・具体的に練られていたため,おおよそ計画どおりに研究を遂行できたため.
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度では,自然事象の数理モデル化に基づき,(1)シボ(皮鐵)模様,(2)木目模様,(3)水玉・抽象柄模様,(4)美的曲線の創発システムを構築した.平成25年度では,感性に基づく同様の創発システムを構築し,平成26年度では,それらのシステムを統合する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
システム開発補助費が当初計画していた予算をオーバーすることが予想されたため(実際,当初予算よりもオーバーした),当初購入を計画していたコンピュータの購入を控え,既存設備で対応した.結果として,当該助成金が発生した.翌年(平成25年)においても,システム開発補助費が予算をオーバーすることが予想されるため,当該助成金は,そのための支出として計画している.
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Research Products
(9 results)