2013 Fiscal Year Annual Research Report
瞬間硬化性樹脂とマイクロバブルから作る中空マイクロカプセルの開発および実用化
Project/Area Number |
24360066
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
幕田 寿典 山形大学, 理工学研究科, 准教授 (40451661)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マイクロバブル / 超音波 / マイクロカプセル / 画像診断システム / ドラッグデリバリー |
Research Abstract |
昨年度の研究で、従来法では困難とされていた瞬間硬化性樹脂であるシアノアクリレートの蒸気をマイクロバブル化することに成功し、直径10μm以下の中空マイクロカプセルを容易に調製できるようになった。本年は更なる実用化に向けた研究として、径の微細化および収量の改善を試みた結果、特に水のpHを下げた環境下において、中空マイクロカプセルの収量が昨年度に比べ20倍と大幅に増加し、1μm以下の中空マイクロカプセルの調製にも成功した。更に、並行して研究を行なっている超音波によるマイクロバブル発生の研究においても周波数を下げることによるマイクロバブルの発生量の増加に成功しているため、今後も更なる収量改善が可能となると見込まれる。 また、シアノアクリレート中空マイクロカプセルの医療への応用可能性に関しては、超音波診断装置を用いて模擬流路中におけるシアノアクリレート中空マイクロカプセルの造影効果を検証したところ良好な音響特性が確認されたことに加え、シアノアクリレート中空マイクロカプセルの水分散液をLevovistの投与基準を同じ濃度でマウスに投与したところ、急性毒性は確認されなかったことなど、大きな進展が見られた。今後は本中空マイクロカプセルの安全性の検証や詳細な音響特性の解明を行い、任意の薬剤(抗がん剤など副作用の非常に強い薬剤)を任意の場所に供給する薬剤輸送の技術の開発に繋げて行きたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シアノアクリレート蒸気を吹き込む環境の最適化によって収量を以前の20倍にすることできており、また、マイクロバブルの発生能力の向上にも成功していることから順調に研究が進行している。また、マウスへ投与による急性毒性評価なども開始しており、医療応用に向けたデータ収集も順調に行なわれている。
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Strategy for Future Research Activity |
医療用途・工業用途に適用可能なサイズおよび収量の確保に向けて、超音波周波数、ホーン形状、カプセル生成条件の最適化を行なう。また、生成したカプセルの物性評価も行なう予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度の予算においては、粒度分布装置を想定より安価に購入できたこと、および国内での国際会議への参加によって出張旅費が抑制されたことなどにより、直接経費次年度使用額が発生した。 目詰まり抑制のための超音波マイクロバブル発生装置のバージョンアップや実験に要する消耗品購入予算として使用する予定である。
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