2014 Fiscal Year Annual Research Report
凍結手術と凍結保存への適用を目指した成熟神経細胞の凍結に関わる基礎的特性
Project/Area Number |
24360083
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
石黒 博 九州工業大学, 生命体工学研究科(研究院), 教授 (30176177)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 熱工学 / 生体熱工学 / 凍結手術 / 凍結保存 / 成熟神経細胞 / 凍結・融解挙動 / 生存性 / 形態変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
凍結手術と凍結保存への適用を目指し、学術的にも興味深い神経突起を有する成熟神経細胞に対して、凍結・融解特性(凍結・融解過程のミクロ挙動、凍結・融解後の細胞の形態変化と生存性)を解明する。 平成26年度には、ジメチルスルホキシド(DMSO)10v/v%を添加した生理食塩水中の基質に付着した分化型PC12細胞(ラット副腎髄質褐色細胞腫由来PC12細胞株)に対して、一様温度分布低温ステージを用いて,冷却速度0.1~74.3℃/minで,最低到達温度-80.0℃まで冷却し、そこで10分間滞在後、加温速度~30℃/minで加温する実験を行い、1)-5)の結果を得た。 1) 凍結・融解後の神経細胞の形態変化に関して、DMSOの添加により、数珠状化や短小化を起こした神経突起の割合、および、その数珠状化の程度と短小化の程度が大幅に低減された。2) NaCl水溶液による浸透圧ストレス(等張→高張(1.0M)→等張)を課す場合、希釈過程で、凍結・融解の場合と同様の形態変化(神経突起の数珠状化、短小化)が形成され、その時系列変化が定量的に示された。3) NaCl水溶液中の凍結・融解過程・融解後に及ぶ一連の過程において、数珠状化と短小化の形態変化は、概して融解終了前後に(融解過程の終わりから融解後1-2分程度の間で)形成された。4) 培地中の凍結・融解後の形態変化は、培養温度(37℃)条件で、数珠状変形が消滅し形態が回復する神経突起、および、数珠状部間で崩壊・切断する神経突起があった。5) DMSO添加の場合、分化型付着細胞の生存率は、冷却速度に対して逆U字型の分布(約0.5~1.0℃/minで極大値50%程度)をとるのに対して、未分化細胞の生存率は、付着、懸濁を問わず、特に10.0℃/min以下の冷却速度の範囲で最大で約2倍程度大きい。従って、分化型細胞では、より高度な凍結保存技術が必要である。
|
Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Causes of Carryover |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|