2012 Fiscal Year Annual Research Report
回転法を利用した高温高粘性浮遊試料の表面張力・粘性係数計測
Project/Area Number |
24360086
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
石川 毅彦 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 教授 (00371138)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 純平 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (90373282)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 浮遊 / 高温融体 / 粘性係数 / 表面張力 |
Research Abstract |
本研究は、浮遊させた高温融体を回転させ、変形する挙動を観察することによって試料の表面張力および粘性係数を測定する方法を構築するものである。現在、浮遊法においては、浮遊融体を振動させることによって表面張力・粘性係数を計測する手法が確立されている。この方法を用いて多くの金属融体の熱物性データが取得されている。しかし、液滴振動法では高粘性試料では原理的に振動が発生しないため、数十mPa・s程度の低粘性のものにしか適用できない。一方、回転によって変形させる方法では、粘度の高い試料に適用可能であり、金属ガラス・準結晶など高粘度の材料の熱物性測定が可能となる。特に粘性係数は、ガラス化や準安定相生成過程の研究に必要な基礎データである。 浮遊液滴は、回転が無い状態では真球形状となるが、回転させると遠心力によって扁平していく。この時点では、試料は回転軸対称であるが、回転数が臨界値を超えると非軸対称(葉巻型)に形状が遷移することが理論的・実験的に確認されている。この遷移過程を詳細に捉えて粘性係数を計測する手法を確立するのが本研究の目的である。また、臨界の回転数および試料の形状から表面張力が算出できる。 平成24年度は、高速で回転する高温浮遊融体の形状観察が可能となるよう、既存の静電浮遊炉に高速度カメラを設置した。また、予備実験として溶融ジルコニウムの回転実験を行い、1)試料が軸対称形状から非軸対称形状となる挙動を高速度カメラで捉えられること2)非軸対称に遷移する回転数が測定可能であり、また理論と一致することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の計画は、既存の静電浮遊炉へ光学系を追加して高速度カメラによって浮遊試料の観察を可能とすることであり、これを達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
設置した光学系を用いて高粘性材料の浮遊実験を行い、観点を付加して軸対称から非軸対称への変形挙動の高速カメラによる観察を行う。変形にかかる時間から粘性係数を算出する検討を行う。
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Research Products
(2 results)