2012 Fiscal Year Annual Research Report
消炎特性を持つ高圧水素用超静音型減圧弁に関する研究
Project/Area Number |
24360089
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
香川 利春 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (50108221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尹 鐘皓 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教 (30456256)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 水素 / 騒音 / 減圧 |
Research Abstract |
本研究では、ラジアルスリット機構を用いて、高圧水素の減圧時の騒音抑制および水素火炎発生時の安全確保を同時に満たす機能を有する減圧弁の開発に展開するための研究基盤を確立することを目的にしている。 ラジアルスリットを試作するには設計する減圧弁の仕様を決める必要がある。本研究では上流圧35MPaで約500L/minの流量を流すことが出来る高圧水素用減圧弁を設計の目標にし、ラジアルスリット機構を用いた新しい減圧弁が従来の減圧弁とほぼ同様の大きさになれるように基本設計をした。その設計を基にラジアルスリット機構の直径と高さを決定し、数百ミクロン以下の隙間高さを持つ平行円板放射状流れのラジアルスリットを試作した。安全に取扱える空気を用いて、基礎特性として圧力、流量を実験で計測し、隙間の高さと長さの変化による流量と圧力特性の変化を実験により検討し、流量特性を一次元の数式でモデル化した。上記で得られたラジアルスリットの基礎特性は設計指針の基本的な資料として重要である。 水素は空気と諸物性値が異なる気体であるため、水素においてラジアルスリット形状が流量と騒音特性へ及ぼす影響に関して、実験的・理論的な検討が必要である。空気用で試作したラジアルスリットを用いて福岡県に所在する水素エネルギー製品研究試験センター(HyTReC)にて、低圧領域おける水素実験を行い、その有効性を確認した。また、シュリーレン可視化装置を用いて空気を流した祭にラジアルスリット下流における衝撃波が発生しにくいことを可視化で明らかにした。 研究成果の社会・国民への発信として、平行円板間流れの騒音特性に関する研究で国内雑誌論文を1編仕上げた。国際学会でラジアルスリットを用いた新しい減圧弁に関する研究を発表した。また、特許協力条約(PCT)制度により、日本を含む9カ国に特許出願を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
従来の減圧弁と同様な大きさを持つラジアルスリットを用いた新しい減圧弁の基本設計を行い、ラジアルスリット機構の直径と高さ決定した。隙間500ミクロン以下のラジアルスリットを試作し、安全に取扱える空気を用いて、ラジアルスリットの流量特性や騒音特性を実験と可視化により明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
高圧水素領域におけるラジアルスリットの流量特性と静音特性を水素エネルギー製品研究試験センターにおいて行い、その特性を明らかにする。消炎特性の実験も行い、これらの結果を用いて騒音抑制および水素火炎発生時の安全確保を同時に満たす機能を有する減圧弁を開発するための研究基盤を確立する。
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