2012 Fiscal Year Annual Research Report
レオロジー特性を有する柔軟対象物の非把持ダイナミックマニピュレーション
Project/Area Number |
24360097
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
東森 充 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (30346522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田隈 健二郎 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (30508833)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マニピュレーション / 非把持 / レオロジー物体 |
Research Abstract |
本年度は,非把持形態によるレオロジー物体のダイナミックマニピュレーションの解析として,主にプレートの高速振動を用いて対象物に伸縮運動を生成する問題を取り扱った.はじめに,解析モデルとして,並進および回転の計2自由度を有するプレートと,2つの質点および両者を結合するレオロジー粘弾性要素で構成される対象物の1次元変形モデルを導入した.このモデルを用いて,プレートの回転加速度振幅に対する対象物の挙動変化をシミュレーション解析によって考察し,最大変形速度を実現するためのプレート運動パラメータに関する最適解を探索した.この結果から,質点の接触挙動を切り替えるプレート運動が,変形速度を最大化するためのポイントになることを突き止めた.この事実に基づいて力学解析を行った結果,回転加速度振幅に対して規定される6つの無次元境界振幅によって,2質点の挙動とこれらを組み合わせた対象物全体の変形挙動が切り替わることを解析的に明らかにした.このことをシミュレーションによって確認し,対象物の変形速度遷移が無次元境界振幅によって支配されること,ならびに,対象物の変形速度を最大とする最適プレート運動が無次元境界振幅のいずれか周辺に存在することを明らかにした.以上のような最適解は,柔軟対象物の物理パラメータに依存する.この点を踏まえ,非把持形態により対象物の物理的パラメータを獲得する手法についても考察した.プレートの高速振動によって回転している柔軟対象物の挙動に着目し,プレート運動周波数の増加に対する対象物の回転速度遷移がローレンツ分布関数によって近似できることを示し,2つの物理的パラメータ(対象物の曲げ固有角振動数および摩擦係数)と2つの分布関数のパラメータに相関関係が存在することを明らかにした.この性質に基づき,対象物の物理的パラメータを推定する手法を提案し,最終的に実験により有効性を確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非把持マニピュレーションによる変形操作に重点を置いて進めてはいるが,その中で位置操作に関する知見も得られている.最終的な位置と姿勢の同時制御に向けた基礎材料は概ね順調に揃いつつあるものと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,力学解析およびシミュレーション解析によって本研究のコアとなるマニピュレーション技術を固めつつ,今後は,実機プロトタイプに得られた知見を反映し,実験を中心に実現性を考察する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
力学解析およびシミュレーション解析を重点的に進めてきたため,レオロジー物体パラメータ取得用の計測シスラムの購入を実験が中心となる次年度に変更した.次年度に計測用ビジョンおよびロボットシステムを購入し,計測データをマニピュレーション戦略の入力データ情報として活用する.
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