2013 Fiscal Year Annual Research Report
レオロジー特性を有する柔軟対象物の非把持ダイナミックマニピュレ-ション
Project/Area Number |
24360097
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
東森 充 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30346522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田隈 建二郎 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30508833)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マニピュレーション / 非把持 / レオロジー物体 |
Research Abstract |
本年度は,非把持形態によるレオロジー物体のダイナミックマニピュレーションの解析として,これまで個別に取り扱っていた並進および伸縮変形運動を統合し,両者を同時に制御する問題について考察した.はじめに,並進および伸縮変形を生成するプレート上の加速度場の計算方法について整理した.次に,プレートオフセット角による重力効果によって加速度場を管理し,対象物の目標位置と目標変形を同時に実現するためのマニピュレーション戦略を提案した. 次に,ビジュアルフィードバックを導入した簡易実験により,提案手法の有効性を確認した. 現段階では,対象物の位置とともに変形の方向(伸張あるいは収縮)だけが制御可能である. ただし,対象物のサイズ情報をビジョンで取得することにより,変形速度や変形量の制御も可能になるものと見込んでおり,次年度の課題と考えている. さらに,粘弾性要素による振動方向可変効果を利用した非把持マニピュレーション手法を新たに提案した.ここでは,まず,プレート振動機構に対して粘弾性要素を加味した能動・受動複合関節を導入した.この関節機構は,能動関節軸と受動関節軸が非平行に設定されることにより,能動関節の入力振動数に応じたプレート振動方向の可変効果が現れることを特徴としている.この効果を利用することにより,能動関節の1軸入力によって対象物の2自由度並進運動が管理可能なことを明らかにした.ハーモニック・ドライブ・システムズ社製の軽量高速アクチュエータと制御ドライバを使用した試作機を開発し,実験的に有効性を確認した.上記のような劣駆動マニピュレーションはこれまで報告されておらず,手法の興味深さとともに,実機システムの搭載アクチュエータおよびセンサ数の削減に貢献することが期待される.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最終的な位置と姿勢の同時制御に向けた基礎材料は概ね順調に揃いつつあるものと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,力学解析およびシミュレーション解析によって本研究のコアとなるマニピュレーション技術を考察する.ただし,本年度は最終年度のため,実験実験を中心に実現性を考察する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度もシミュレーション解析の比重が大きかったため,対象物のパラメータ取得用の計測システムの購入を実験が中心となる次年度に変更した. パラメータ計測用ロボットシステムを購入し,計測データをマニピュレーション戦略の入力データ情報として活用する.
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