2012 Fiscal Year Annual Research Report
全身操縦型パワー拡大ロボットを可能にする各種力制御の微分包含式ベースト実装理論
Project/Area Number |
24360098
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
菊植 亮 九州大学, 工学研究院, 准教授 (90362326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金岡 克弥 立命館大学, 総合科学技術研究機構, チェアプロフェッサー (90360247)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 力制御 / 力順送型マスタスレープ / アドミッタンス制御 / スライディングモード制御 / スライディングモードフィルタ / ノイズフィルタ / 位相進み / 摩擦モデル |
Research Abstract |
平成24年度は,人間のパワーを拡大する操縦型ロボット(力順送型マスタスレーブシステム)の実現を目的として各種要素技術の研究開発を行った. 【1】摩擦の不連続性や非線形特性(ヒステリシスなど)を,単純な微分方程式でモデル化する数値計算手法を考案した.また,特性の異なる複数のタイプの減速器について,摩擦補償のための制御則の開発を行った.これらの技術は,スレーブロボットの関節摩擦をキャンセルして効果的な力制御を実現するために有効であると考えられる. 【2】研究代表者らが考案したノイズ除去フィルタ「PSMF」の各種特性を明らかにし,パラメータの設計指針を明らかにした.また,信号の微分量を取得するための改良を施した新しいフィルタ「AW-PSMF」も提案した.これらは位相遅れが比較的小さいという特性を持つ. 【3】トルク飽和時にも滑らかに挙動する新しい位置制御則を提案した(論文投稿済み).この制御則は力制御器の内部位置ループとして利用することができ,マスタスレーブシステムのマスタ側の制御に用いることができる. 【4】2基の同構造の産業用ロボットを用いて力順送型マスタスレーブシステムの実験環境を構築し,上述のノイズ除去フィルタと新しい位置制御則を実装した.特に,新しいノイズ除去フィルタとセンサ信号の微分量の効果的な利用によって,システム全体を安定化できるということを示した. 【5】パワー増幅に適した大出力の腕部マスタスレーブ実験装置の設計開発を行った(平成25年度に稼動開始予定). 【6】脚部マスタスレーブ実験装置の設計を行い,各機構部品をほぼ完成させた(平成25年度後半に全体が組立・動作確認完了予定).特にスレーブロボットの機構においては,安定した不整地歩行を実現するための新しいアイデアがいくつか得られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特に摩擦のモデル化,ノイズフィルタ,位置制御,マスタスレーブ制御の安定化などの要素技術について進展があり,論文投稿も順調である.【5】の実験装置の稼動についてのみ若干遅れているが,これはいくつかの設計変更のためであり,実装するべき技術もすでにそろっている.そのため平成25年度中には取り戻すことができると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
マスタスレーブ制御則については,慣性補償や各種微分量のフィードフォワードによって安定性だけでなく「透明性」(スレーブ側に加わる反力をマスタ側に伝達する性質)を向上させる手法を確立する.また,現在開発中のパワー増幅マスタスレーブ実験装置2基(腕部および脚部)を完成させる.これに各種要素技術を実装し,実証実験を行う.
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Research Products
(13 results)