2013 Fiscal Year Annual Research Report
新しい小天体探査を可能にする次世代移動探査メカニズムの研究
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24360101
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
久保田 孝 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 教授 (90211888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉光 徹雄 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (60332152)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 惑星探査 / 航空宇宙工学 / 制御工学 |
Research Abstract |
本研究では,小天体表面においてさまざまな場所に点在する複数の目標地点に効率的に近づくことのできるロボットの移動メカニズムおよび探査手法の研究を行う. 今年度は,昨年度に得られた検討結果をもとに,試作したプロトタイプロボットを使った無重力実験と解析を行った.無重力実験では,ドイツのブレーメンにある落下塔を用いて無重力実験を行った.実験においてプロトタイプロボットによるホッピングの挙動確認に成功した.また,与えるトルクによりホップする速さとホップ角度を制御することができることがわかった.さらに実験により得られた動画を処理することにより、ホッピング挙動の解析を行った.実験結果と数学モデルによるシミュレーションとの比較を行い,数学モデルの検証を行った. 続いて,小天体表面において長時間で長距離の移動探査を実現するためには,探査ロボットの温度調整が必要となる.小天体表面の温度条件は,太陽からの距離,自転軸方向,表面の反射率などによりさまざまである.日照条件により,高温状態が続くとロボットは睡眠モードに入るため,探査時間が限定される.そこで小型ロボットについて熱制御をどのように行うかについて検討を行った.その結果,内部の熱を逃がす機構と移動するための機構を兼ね備えた新しい移動メカニズムを考案した.その手法の有効性を検証するため,数学モデルを用いたシミュレーションを行い,熱制御を行う手法の有効性を確認できた.さらに,同じ機構を用いてロボットがホッピングできるかどうかの確認を北海道の落下塔を用いて行い,有効性を確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通り,微小重力下での移動メカニズムについて,落下塔を用いた微小重力実験を行い,重力の小さい環境でのホッピング挙動を確認することができた.また小天体における新しい熱制御手法を考案することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画通り,熱制御を考慮した移動メカニズムの詳細検討および自律探査行動に関する検討を進める.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
購入品が見積もりより安くなったため. 回路製作の消耗品に用いる.
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