2013 Fiscal Year Annual Research Report
超高密度パワーSOC(Supply on Chip)用集積回路基板の研究
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24360111
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
松本 聡 九州工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10577282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 昭好 九州工業大学, マイクロ化総合技術センター, 准教授 (80304872)
新海 聡子 九州工業大学, マイクロ化総合技術センター, 准教授 (90374785)
西澤 伸一 独立行政法人産業技術総合研究所, 電力エネルギー基盤グループ, グループ長 (40267414)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 集積化電源 / パワーSoC / SOD / パワーIC / DC-DCコンバータ |
Research Abstract |
本研究ではパワーSOC実現に向け、低寄生容量化が可能で高周波スイッチング特性に優れ、かつ素子間が完全分離できるSOI構造の放熱の問題を解決するため、埋め込み絶縁膜として絶縁性に優れかつ高熱伝導性を有するダイヤモンドを用いたSilicon on diamond(SOD)構造を実現するとともに、ダイヤモンドの熱伝導特性を明らかにする。 ウエハー貼り合わせ技術に関しては、昨年度シリサイド化に貼り合わせで課題となったボイドの問題に関して、Hf膜厚を薄くすることによりボイドの形成を抑制できることを明らかにした。また、酸化膜を介したウエハー接着の基礎検討としてSi/SiO2-/SiO2/Si構造の基板の接合の検討を行い、SiO2の表面活性化により200℃で接合できることを明らかにした。 ダイヤモンドの熱伝導率と粒形の関係を調査し、約1μmまでは、粒形に比例して熱伝導率が増加し、1μm程度で銅の熱伝導率と同等となることがわかった。また、1μm以上では、粒形に対する熱伝導率増加度合いは減少し、10μmを超えると単結晶ダイヤモンドとほぼ同等の値を示すことがわかった。実験において、層間膜におけるこのような微小粒形制御、それを可能とする表面処理技術の検討に時間を要しており、現在、最終年度に向けてダイヤモンド成膜条件の検討を進めているところである。 温度・熱伝導特性評価用のデバイスを設計し、試作を開始した。 2014年5月に広島で開催されるInternational Power Electronics Conference(IPEC2014)において、オーガナイザーとしてパワーSupply on Chip(SoC)のオーガナイズドセッションを企画した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
接合層であるナノダイヤ表面に、ナノダイヤ堆積の際μmオーダーのダイヤ粒子が数個/mm2存在し、ウエハー接着に影響を及ぼすことが明らかになった。本年度はこのパーティクル除去に時間を要し、研究計画が遅れる原因となった。研磨布、研磨剤、研磨時の圧力を制御することにより、下地のナノダイヤへ与える影響を最小限にしつつナノダイヤ上の粒子を除去することが可能となり、接着可能なダイヤ表面を得ることができ、この技術を用いて研究を継続する。また、粒径の大きいポリダイヤ堆積装置にトラブルが発生したため研究計画に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度着手した温度・熱伝導特性評価用TEGの試作を進め、ナノダイヤ、粒径をかえたダイヤモンド等を堆積し、特性評価を進めSODに適した堆積条件を明らかにする。 SOD基板の製造方法に関する研究開発では、本年度のシリサイド化による貼り合わせの検討結果を適用し、ウエハー貼り合わせ、Si基板の研削・研磨、CMPによりSOD基板を実現する。酸化膜を介した貼り合わせに関しては、ダイヤモンド上に酸化膜を堆積した後の平坦化技術を研究開発すると同時に、接着、Si基板の研削・研磨、CMPによりSOD基板を実現する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度の未使用額はSOD基板作製のためのCMPの外部委託費2回分の費用であり、ナノダイヤ上にパーティルが発生し、この除去方法の検討に注力したためCMPの外部委託を見合わせたために発生した。 来年度の研究計画におけるSOD基板の製造方法の研究では、Si基板、酸化膜のCMPが必要であり、また温度測定・熱伝導特性評価用基板の作製のためにはCMP委託費用が必要であり、これら試料作製の際本年度の残額を充当する。
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