2012 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波照射・交番磁気力顕微鏡による磁性ナノ粒子集合体の微視的磁化反転観察
Project/Area Number |
24360115
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
齊藤 準 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00270843)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 磁気力顕微鏡 / 磁性ナノ粒子 / マイクロ波照射 / 磁化反転 |
Research Abstract |
我々が先に開発した交番磁気力顕微鏡をベースとして、以下の成果を得た。 1.ハード磁気特性を有する磁性ナノ粒子に対して、交流磁場を印加し、交流磁場に追従して変化する可逆磁化成分と交流磁場印加により変化しない不可逆磁化成分の同時イメージングを実現した。ここでは、交流磁場振幅を5.2 kOeまで大きく増加させた交流磁場用電磁石を試作して、磁性ナノ粒子に交流磁場を印加し、交流磁場の強度が増加すると、可逆磁化変化する粒子数が増加することを実証した。本手法は、磁性ナノ粒子にマイクロ波アシストを行う前の、磁性ナノ粒子の磁化反転磁場の評価に用いることができる。 2.交番磁気力顕微鏡にセットしたFeCo磁性探針に対して、その磁気共鳴現象を捉えることに成功した。ここでは、磁性探針に振幅変調したマイクロ波を、マイクロ波給電した同軸線端を近づけて照射し、探針の振幅変化から磁気共鳴周波数を検出した。本項目により、磁性ナノ粒子試料の磁気共鳴と、探針の磁気共鳴を区別することが可能になる。 3.交番磁気力顕微鏡内での磁性体試料へのマイクロ波照射のために、導波管を利用したアンテナを試作した。また、磁性体試料へ面内方向に上限5kOeの直流磁場を発生可能な、永久磁石を用いた静磁気回路を作製し、アンテナと共に試料ステージに外部振動の影響なく固定できる機構を設計・試作した。ここでは、先行研究の報告例があるパーマロイドットを試料として磁気共鳴イメージングを行うことで、磁性ナノ微粒子を用いた共鳴実験に必要なマイクロ波照射出力と共鳴信号の信号対ノイズ比の見積もりが可能となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
磁気共鳴イメージングのための顕微鏡の試作・改良はほぼ終了したが、マイクロ波照射装置の出力が十分ではなかったため、磁気記録媒体の磁気共鳴イメージングができなかった。このため、実験を3ヶ月延長して行う計画に変更し、現在、該当装置の出力の再検討・調整を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
最初に、磁気共鳴の標準試料として、磁気共鳴イメージングで多数の報告があるパーマロイドットを使用し、本研究で提案する交番磁気力顕微鏡を用いた磁気共鳴周波数を検出および磁気共鳴イメージング法を実証する。パーマロイドットは、形状と膜厚、および印可する直流磁場強度の調整によって、導波管アンテナ上で近磁界プローブを用いた磁場分布の計測が行い易い比較的低い周波数帯(数G~10GHz)に磁気共鳴周波数を制御する事が可能であり、装置系と計測系の確認実験に適した試料である。実験では、導波管アンテナの放射端にSi基板上に作製したパーマロイドット試料を置き、試料表面に平行に直流磁場と低い周波数(<100Hz)で振幅変調させた高周波磁場を互いに直交させて印加する。高周波磁場の搬送周波数を掃引して、探針振動の周波数変調強度が極大になる周波数をパーマロイドットの共鳴周波数として検出する。この時、アンテナからは磁場と同様に低周波で変調された電場が放射され、静電気力によって探針振動が変化し、磁気共鳴による信号が埋もれる可能性がある。この対策として、探針の振動モードが電場に対して感度を持たないように、探針と導波管アンテナおよび直流磁気回路を配置する。また、アンテナは磁場出力がパーマロイドット試料表面位置までの距離減衰を加味しても、共鳴検出に足りるように設計しているが、磁場出力が低く磁気共鳴信号が検出できない場合は、導波管アンテナ内の管長を可変にする事で定在波を発生させて、磁場出力を増強させる。 その後に、~40G Hzまでの放射帯域を持つ導波管アンテナを構成し、磁気記録媒体を含む種々の磁性ナノ粒子およびその集合体に対して、磁気共鳴イメージングを行う。さらに直流磁場も同時に印加して、試料のマイクロ波アシスト磁化反転の観察を試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H25年12月、事前に行っていた磁性探針の共鳴実験の結果、現有のマイクロ波照射装置の出力では磁気記録媒体の共鳴実験を行っても当初想定していた磁気共鳴イメージングでの空間分解能が得られないことが判明した。そのため、該当装置の出力の再検討・調整が必要になり、磁気記録媒体の共鳴実験を3ヶ月延長して行う計画に変更した。 磁気記録媒体の共鳴周波数帯でのマイクロ波出力を増幅させるアンプの購入費に充てる。
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Research Products
(7 results)