2015 Fiscal Year Annual Research Report
柔構造液晶ダイレクタの空間配向分布機構の解明と制御に関する研究
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24360127
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
杉村 明彦 大阪産業大学, デザイン工学部, 教授 (90145813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇佐美 清章 大阪産業大学, デザイン工学部, 准教授 (40360507)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 液晶 / 重水素化核磁気共鳴分光法 / 液晶ダイレクタ制御 / 弾性理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、糖脂質分子の一つであるOctyl-β-Glucoside (β-Glc-C8)の電場誘起相転移現象の発現機構、およびその電気的・磁気的な基本物性の解明を目的に研究を行った。 β-Glc-C8は、両親媒性を有しリオトロピック液晶の性質を持つ。また、同分子は、無水状態でサーモトロピック液晶の性質も併せ持っている。このように、両親媒性を有する分子が、無水状態でスメクチックA相を示し、電気的・磁気的異方性を有していることは、同材料の有機エレクトロニクス分野での応用の可能性を示している。このため、スメクチックA相だけでなく、逆ミセル構造等を有するβ-Glc-C8の相構造転移に着目した研究を行い、次の結果を得た。 1.スメクチックA相から等方性相へ転移する温度より、約1℃低い温度で、電場を印加することにより、等方性相への相転移が発現する。この発現機構としては、電場印加による電気エネルギが熱エネルギへ変換され、媒質の温度上昇(数度)を引き起こし、結果として相転移現象が発現していると考えられる。 2.平成26年度に、スメクチックA相から等方性相へ転移する温度より、20℃低い温度で、強磁場中(7T)で電場印加により、等方性相への相転移現象を重水素化核磁気共鳴分光法を用いて観測した。この現象は、熱エネルギによる試料の温度上昇で説明することはできない。平成27年度は、この興味ある相転移現象の発現機構について研究を行った。強磁場により一定方向に配向した相構造への電場印加により、媒質内の可動性イオン(水酸基と予想される)は、一定の運動エネルギを持って媒質内で吸着・解離・走行を繰り返す。この機構を裏付ける現象として、相転移の発現には、試料の導電率の上昇が関与していることを確認した。結論として、この相転移は、スメクチックA相から逆ミセル相またはキュービック相への相構造転移と考えられる。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)