2012 Fiscal Year Annual Research Report
周波数可変サブテラヘルツジャイロトロンの開発と核磁気共鳴の感度向上への応用
Project/Area Number |
24360134
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
出原 敏孝 福井大学, 遠赤外領域開発研究センター, 特任教授 (80020197)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ジャイロトロン / 周波数可変 / サブテラヘルツ / DNP-NMR / 高感度NMR |
Research Abstract |
計算機シミュレーションにより395GHz帯/100W/CW/周波数可変ジャイロトロンの最適設計を以下に示す項目に従って行った 1)既存の8テスラ超伝導マグネットと電子銃領域の補助磁場コイルを用いた磁場内で、3極マグネトロン入射型電子銃の動作の解析を行い、空間電荷効果による速度広がり、磁場に垂直な方向の速度成分、空洞共振器内及びコレクターへの入射位置を求め、本研究に合致した最適設計を行った。 2)空洞共振器内に励起される共振器モードの解析を行い、複数個のモード間の競合を取り入れたコードにより、各モードの時間的成長、競合による抑制、定常状態に達したときに生き残るモードとその振幅を求め、定常状態に達したとき2次高調波による動作が基本波動作に打ち勝って単独で生き残る条件を求め。空洞共振器形状の最適設計を行った。 3)周波数可変を達成するため、空洞共振器の形状を最適化することにより、軸方向モードの周波数近接化を実現し、後進波相互作用を採用することにより周波数の連続可変を達成する設計を行った。 4)空洞共振器からの発振出力は、導波管モードであるので、DNP-NMRの光源として応用するため、ガウシアンビームに変換するためのモード変換器の設計を行った。 5)連続(CW)動作に適合した、コレクターとして、電子ビームの衝撃による熱負荷が一カ所に集中することを防ぐ設計を完了した。 6)真空窓材をサファイアとして、発振周波数が395GHzであること及び最適共振器モードを考慮して、窓の形状の最適化を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の根幹をなす「395GHz帯/100W/CW/周波数可変ジャイロトロン」の製作のための最適設計を行うことが本年度の計画であったが、これまでに計画を完了して、次年度から製作に取りかかる準備が整っている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、平成25年度に、「395GHz/100W/CW周波数可変/ガウシアンモード出力ジャイロトロンの製作」及び「ジャイロトロンの高安定化動作の達成」を完結し、平成26年度に、「後進波動作による周波数連続可変機構を備えたDM)-NMR方式の確立」を行い、本研究を終了する。
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