2013 Fiscal Year Annual Research Report
シリコンテクノロジーを用いた集積化光バイオセンサーの研究
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24360136
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
横山 新 広島大学, ナノデバイス・バイオ融合科学研究所, 教授 (80144880)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 丈 広島大学, 先端物質科学研究科, 助教 (10505754)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | バイオセンサー / Siリング共振器 / 差動検出 / ばらつき耐性 / 温度安定性 / フォトニック結晶 / ドナー型フォトニック結晶共振器 / アクセプター型フォトニック結晶共振器 |
Research Abstract |
本研究では、病気の早期発見・早期治療のために、多項目・高速診断が可能な集積化光バイオセンサーを開発する。これまでに濃度100ng/mlの感度を達成しているが、実用化に向けさらに2桁の感度向上が必要である。光共振器を差動接続しノイズや温度の影響を低減する。さらにスロット導波路や巨大Q値(>百万)を持つフォトニック結晶(PC)光共振器の採用によって大幅に検出感度を向上させる。この新バイオセンシング技術は超高齢社会における医療・診断分野に大きなインパクトを与えると予想される。平成25年度の計画は、(1)マッハツェンダ干渉計とリング共振器を組み合わせた差動型リングバイオセンサーの継続開発、(2)スロットリングバイオセンサーの継続開発、(3)温度安定性向上の継続研究、(4)ばらつき抑制の継続研究、および(5)PC光共振器センサーの研究であった。(1)に関しては、差動型Siリングバイオセンサーを試作し、ショ糖濃度0.01%の検出ができた。この値は、前立腺がん特異抗原濃度に換算すると2.7ng/mlとほぼ実用的な検出感度に相当する。(2)に関しては、入射光電界の向きとスロット導波路の有効屈折率変化量の関係をシミュレーションし、電界が溝に垂直な時感度が増大することを見出した。(3)に関しては、差動型にすると温度依存性は消失すると考えられる。25年度差動型センサーを作製できたので、次年度温度安定性を評価する。(4)に関しては、差動型の2つの共振器の共振波長をずらすことで、ばらつき問題を回避できることを昨年度提案した。25年度差動型センサーを作製できたので、次年度ばらつき評価を行う。(5)に関しては、ドナー型(共振器部で無孔)のPC共振器に対し、アクセプタ型(共振器部で大きい孔)PC共振器にすると、孔部で検体が多く付着し、波長シフトがドナー型の約35倍になるというシミュレーション結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
それぞれの研究項目について、当初計画にほぼ沿った成果が得られているため。
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Strategy for Future Research Activity |
シリコンリング共振器の差動型で実用的な実験成果が得られ始めたので、この線に沿って研究を推進する。
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