2012 Fiscal Year Annual Research Report
CW半導体レーザーからのGHz繰返し10フェムト秒光パルス発生の研究
Project/Area Number |
24360143
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
西川 正 東京電機大学, 工学部, 教授 (20374069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石澤 淳 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子光物性研究部, 主任研究員 (30393797)
瀧口 浩一 立命館大学, 理工学部, 教授 (70633254)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 超短パルス光 / 高繰返し / 光周波数コム / 光位相変調器 / 光強度変調器 / 波形整形 |
Research Abstract |
研究代表者の西川は、開発を進めている光位相変調器ベースの高繰返し短パルス光源に、従来のモードロック方式レーザーでは実現が難しい、広帯域な繰返し周波数及び中心波長可変性を持たせる研究を行った。繰返し周波数可変性の実現にあたって、周波数可変マイクロ波信号発生器及び広周波数帯域RFアンプを導入した。光強度変調器へのRF入力パワーが一定値になるように調整し、周波数毎に最適な分散量を付与する事により、18GHzから26GHzという大変広い繰返し周波数範囲で、0.53ps以下の短い光パルス幅を達成する事が出来た。また、周波数可変性を達成する為に、シード光に波長可変半導体レーザーを導入した。波長毎に分散付与量を最適化することにより、中心波長を1530nmから1575nmの広い範囲で可変にする事ができ、0.5ps以下のパルス幅を持つ25GHz高繰返し光パルスを実現した。本成果は、春の応用物理学会で成果発表を行うと共に、2013年6月開催予定のCLEO2013国際会議にも採択された。 研究分担者の石澤は、研究開発を進めている光源のノイズ特性を向上する為に、以下の3つの対策を行った。(1)12.5GHz強度変調器によるプリパルス除去、(2)半導体レーザーを用いた位相雑音の定量計測方法の開発、(3)低雑音RF信号発生器の導入を行った。その結果、今回開発した位相雑音定量測定の手法を用いて、実際に位相雑音が抑圧されていることを確かめ、クリーンな光パルスの発生に成功した。本成果についてもCLEO2013国際会議に採択された。 研究分担者の瀧口は、シミュレーション計算によって、ラインbyラインスペクトル整形を用いた新規波形の生成可能性を検討した。位相・振幅と、光デバイス評価用の高速強度変調2値パルスパターン波形生成の関係とを明らかにし、140chスペクトル整形回路を用いる場合、2^4-1程度の25Gbit/s-2値パルスパターン波形を生成できることを明らかにした。今後は高速多値変調パルスパターン信号の生成可能性について検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者の西川は、昨年の4月にNTT物性科学基礎研究所から東京電機大学の方に移籍した。移った先での新たな研究環境の立上げに当初想定した以上の時間と手間を要し、研究目的の達成がやや遅れる要因となった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者の以前の所属先で研究分担者も所属する、NTT物性科学基礎研究所との共同研究契約を締結できたので、今後は両者の研究交流を密にしていくことで、研究計画の遅れを取り戻す予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
東京電機大学への移籍に伴い、他からどのような研究機器を調達できるかがなかなか決まらず、科研費予算を他からは調達出来なかった本計画の遂行に必須の機器の購入に充てて有効に利用する為に経費の繰り越しを行った。
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Research Products
(5 results)