2013 Fiscal Year Annual Research Report
学習を活用した物理層セキュリティ技術によるセキュアコグニティブ無線
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24360147
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
藤井 威生 電気通信大学, 先端ワイヤレスコミュニケーション研究センター, 准教授 (10327710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 知明 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (10277288)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 通信方式 / コグニティブ無線 / 物理層セキュリティ |
Research Abstract |
本研究課題は、多様な無線資源をダイナミックに活用し、周波数の有効利用を図るコグニティブ無線において、物理層セキュリティ技術を核とした通信セキュリティの向上を目指して以下を実現する。1.コグニティブ無線ならではの多様な無線資源を活用した秘密情報分散化による秘匿性向上、2.ノードが観測可能な統計量情報を活用した学習によるセカンダリ最適伝送、3.既存システム干渉保護と盗聴ノードに対する人工雑音付加による秘匿性向上の両立、4.複数の分散ノードを協調活用することによる適応的な通信品質および秘匿性向上。 本年度はこれらの目標に対して、以下の研究を進めた。1つ目の研究として、マルチホップ通信において、周囲の無線環境情報を観測することで、ボトルネックとなる秘匿性容量を少ない計算量で最大化するルーティングプロトコルの検討を行った。2つ目の研究として、希望するノードに対して干渉アライメントを適用することで、秘匿性の向上を実現する手法の検討を行った。3つ目の研究として、プライマリユーザがセカンダリユーザに、スペクトルの一部を貸与する代わりに、プライマリのセキュリティを高める協力を求めるスペクトルリーシングにおいて、プライマリのスループットに影響を与えずに、プライマリの秘密通信路容量を高めるビームフォーミングについて検討した。4つ目の研究として、複数のセカンダリユーザがいるときに、セカンダリユーザ間で協調がある場合と無い場合のビームフォーミング行列の生成と、そのときのプライマリユーザ及びセカンダリユーザの各パラメータを評価した。 5つめの研究として、コグニティブ無線において、セキュリティの向上にも有効なスペクトルセンシングに関して、ファジーアルゴリズムとQ学習を併用した新しい手法を考案し、その有効性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特に進展したものとして、(1)環境認識によるルーティングによりボトルネックとなる秘密保持容量の性能向上を図れている点。(2)スペクトルリーシングにおいて、単にプライマリユーザのセキュリティの点だけで無く、セカンダリユーザも含めて,スループット及びセキュリティを評価している点。(3)セカンダリユーザ間での協調のそれらに対する影響も考慮している点。さらに、学習アルゴリズムを用いた新しいスペクトルセンシング手法についても成果を挙げている点。(4)ソフトウェア無線を利用した実装技術の環境認識機能を実装した点、が挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究活動は順調に進んでおり大学を超えた共同研究体制もうまく機能していると考えている。今後もより緊密に相互に意見交換を行いながら。最終的な目標を達成できるように努力したいと考えている。最終年度は、積極的な国内外での成果発表も行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
購入予定のソフトウェア無線機を別経費で代用したため経費が抑えられた。また、成果発表を行った国際会議がソウル開催で経費が抑えられたため。 最終年度として件数を増加させる予定の成果発表での不足分および研究を進めるための大学院生雇用経費に充当予定
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