2013 Fiscal Year Research-status Report
耐障害・省電力運用のためのWebシステム自動再構成方式の開発
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24360154
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
薦田 憲久 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (90234898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鮫島 正樹 大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (80564690)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Webシステム / 最適化 / 省電力 / 耐障害 |
Research Abstract |
平成24年度に開発したサーバリソース使用量の予測手法を用い、平成25年度はデータセンタで稼働する複数の仮想マシン(以下、VM)を動的に再配置する方式を開発した。まず、VM配置最適化に関する既存研究を参考に、VM再配置問題の定式化を行った。従来のVM配置最適化問題と異なる点は、リソース使用量の予測値にもとづいて、サーバを安定稼働させつつ、長期的に消費電力を低減することを目的としている点である。すなわち、VM再配置問題における目的関数は、サーバ運用時における各時間ステップの消費電力の総和となる。 このような時系列の関数からなる組合せ最適化問題では、考慮する時間ステップの数に応じて計算量が指数関数的に増大する。そのため、全探索によって実用的な時間内で解を発見することは不可能である。我々は、一般的な方法として、動的計画法や貪欲法の適用を試みたが、前者では依然として膨大な計算時間が必要であり、後者では消費電力を十分に低減する解を求めることができなかった。 そこで我々は、計画対象となる複数のサーバとVMをいくつかのグループに分け、グループごとに計画を作成し、統合する方式を開発した。各グループにおける計画作成では、VMを自由に分断してサーバ間を移動できると仮定することで、目的関数の下界値を容易に求められることに着目し、下界値を利用した分枝限定法を開発、実装した。購入したサーバを用いて、サーバ稼働に必要な消費電力量を計測し、開発した方式を評価するためのシミュレーションモデルを構築した。シミュレーションの結果、実用的な時間内で、貪欲法よりも消費電力を10%抑えた計画を作成するできることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サーバを安定稼働させつつ、省電力化を達成するための定式化を行えたこと、ならびに、定式化にもとづいて実時間内にVM配置計画を作成できたことを考慮すると、当初の計画通り順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、数十台のサーバを対象に、実時間で消費電力を抑えたVM配置計画を作成可能であることを確認したが、これを数百台規模に拡張できるよう、開発した方式をさらに高速化する。事前にリソース使用量を予測しているので、VM配置計画をあらかじめ作成しておくことで、目的関数が非常に悪い不要なVM配置計画を知ることができる。不要な配置を、運用時の計画作成候補から除去することで、計画作成をより高速化できると考えられる。 また、VMを再配置することで、安定稼働と省電力化を図る運用方法を対象としてきたが、VMに対してリソース使用を制限することで、より柔軟な消費電力調整や安定稼働が見込めると考えている。そのための、リソース使用制限と消費電力との関係のモデル化、モデルにもとづいた運用最適化の手法について開発予定である。
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Research Products
(6 results)