2012 Fiscal Year Annual Research Report
気泡ミストからのキャビテーションの解明とソノポレーションへの展開
Project/Area Number |
24360155
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山越 芳樹 群馬大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10174640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三輪 空司 群馬大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (30313414)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 血流依存性血管拡張反応 / 微小血管系 / 加圧光センサ法 / 生体光センシング / 酸化還元ヘモグロビン / プレスチモグラフ |
Research Abstract |
皮膚の乳頭層にある微小血管系の血液量を測定するために、加圧光センサ法を提案し、その応用として、血流依存性動脈拡張反応による微小血管系の血液量変化を測定した。本年度は、微小血管系の血液量や流入・流出特性だけでなく、酸化還元ヘモグロビン濃度も同時に評価できるように緑色光と青色光を同時に用いる光センサを試作した。試作した実験装置では、加圧機構として加圧の押し込み深さによらず、一定の圧力になるムービングコイル式のアクチュエータを新規に開発した。また外乱光の影響が無視できないために、多色光センシングのための可変周波数ロッキングアンプを新たに開発し用いた。これらの改良により、従来充分な時間分解能が得られずに高速に変化する信号の採取が難しい血液流出直後の応答に対しても安定して計測ができるようになった。試作した計測装置を用いて血流依存血管拡張反応の評価を行った。従来、血流依存血管拡張反応は動脈の拡張反応として知られているが、実験により微小血管系に対しても異なる時定数による特徴ある反応があることが確認できた。また、血流依存血管拡張反応時の酸化還元ヘモグロビン濃度の変化であるが、動脈についてはほぼ一定の高い値を示すが、微小血管系については酸化還元ヘモグロビンの割合に特徴ある時間的変化が認められた。これは従来の手法では測定が難しい現象と考えられ、本手法の微小血管系評価における有用性を示すものと考えられた。本研究で加圧光センサ法を用いると、従来の測定技術では得難い情報が和えられることが示唆され、今後、本手法は微細血管の血液循環に関する新たな知見を与えてくれる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究遂行上、生体から得られる信号に対して十分な信号体雑音比が得られず、特に急峻に信号が変化する部分で信号を正しく採集できないという課題が生じた。この課題に対して、今年度、可変周波数ロッキングアンプを新たに開発した。この方法を組み入れることで、加圧光センシングの多色化を実現できた。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的な計測装置を本研究により開発することができた。今後、動脈硬化や糖尿病等の早期診断技術として活用できるかを評価するために更なる臨床実験が必要であり、臨床との協力のもと研究を進めていく予定である。
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