2013 Fiscal Year Annual Research Report
気泡ミストからのキャビテーションの解明とソノポレーションへの展開
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24360155
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山越 芳樹 群馬大学, 理工学研究院, 教授 (10174640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂口 尚輝 群馬大学, 理工学研究院, 助教 (60536481)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ソノポレーション / 超音波 / 微小気泡 / マニピュレーション |
Research Abstract |
超音波支援の微小気泡のDDS,GDSへの応用技術の開拓として、以下に示す3つの観点から研究を行った。 第一の研究は、ソノポレーション(音響穿孔)の高効率化のための新たな超音波照射シーケンスの探索である。まず、超音波周波数1MHz、2.5MHz、7.5MHzの3つを代表的な周波数として取り上げ、比較的弱い例えば100kPaの音圧を持つプリトラッピング超音波の照射と、その後の強力超音波照射(音圧:1-2MPa)照射によるキャビテーションの生成において、超音波周波数ごとの気泡のダイナミクスを、高速度カメラ(気泡クラウド形成およびキャビテーション中の微小気泡の運動解析)および、流路壁面に形成される微小窪みを共焦点レーザー顕微鏡で観測し、周波数依存性、気泡依存性、音圧依存性、超音波照射の時間依存性について評価した。 第二の研究は、気泡の多様化に伴う、ソノポレーション効率の簡便な評価法の開発である。近年、脂質二重層からなるリポゾーム(特に内部に気泡を含むバブルリポゾーム)が比較的容易に生成できるようになり、リポゾームでは薬液や遺伝子の付加が比較的容易と考えられることから、従来の超音波造影剤気泡に代わる新たなドラッグキャリアーとして脚光を浴びている。しかし、ソノポレーションの高効率化という観点で、これらバブルリポゾームを評価する手法がなかった。このため、我々は比較的弱いプロービング超音波中での気泡クラウド観察により気泡の超音波に対する感度を評価する新たな方法を考案した。 第三の研究は、群馬大学医学部核医学講座との共同研究として開始した、In Vivo,In Vitro実験である。気泡としてはバブルリポゾームを使い、山越が開発した超音波照射システムを使って、我々の開発したソノポレーション高効率化のための方法の有効性をIn Vivo,In Vitro実験で確認する実験である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記載した通り、ソノポレーションの高効率化に関しては、新規現象の発見やそれを使う、新たな照射シーケンスの開発など順調に研究が推移した。一方、新規気泡に対する評価技術の開発や、群馬大学医学部との共同研究によるin vivo, in vitro実験も開始され、これら研究の広がりという観点からも順調に推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進についても、平成25年度と同様に、以下に示す3つの観点から研究を行う予定である。 第一の研究は、ソノポレーション(音響穿孔)の高効率化のための新たな超音波照射シーケンスの探索である。平成25年度の研究で、キャビテーション時に発生するソノポレーションの高効率化につながる可能性のある2つの現象を見出すことができた。つまり、キャビテーション中の気泡クラウドの流路壁面への押し付け現象と、気泡クラウドの移動中に生じるクラウド周囲への微小気泡の形成である。これら現象の更なる解析と、これら現象を積極的に使いソノポレーションの高効率化を図る超音波照射シーケンスについて検討を行う。 第二の研究は、気泡の多様化に伴う、ソノポレーション効率の簡便な評価法の開発である。内部に気泡を含むバブルリポゾームに対して、超音波感度評価のための簡便な手法を平成25年度に引き続いて開発していく。 第三の研究は、群馬大学医学部核医学講座との共同研究として開始した、In Vivo,In Vitro実験の展開である。核医学講座の生体実験、生体実験評価技術と我々の超音波技術、微小気泡操作技術とを連携させることにより、ソノポレーション高効率化のための方法の有効性をIn Vivo,In Vitro実験で確認する。
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