2012 Fiscal Year Annual Research Report
走査型触覚顕微鏡の高機能化設計:電荷・密度の同時計測の可能性の追求
Project/Area Number |
24360162
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
高見沢 計一 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 研究員 (10163312)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 泰秀 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (50250262)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 触覚顕微鏡 / 弾性率分布 / 電荷分布 / 密度分布 / 計測機器 |
Research Abstract |
生体組織の力学的特性の計測は、古くからは引っ張り試験や押し込み試験などによるバルクレベル、最近では原子間力顕微鏡(AFM)を用いた顕微計測によるナノレベルで行われている。しかし、生体組織内部に適した、それらの中間領域であるマイクロレベルでの計測技術はほとんどない。 我々は、組織の弾性率分布と表面形状をマイクロレベルで同時に精密に観察できる、走査型触覚顕微鏡(SHM:Scanning Haptic Microscope)と名付けた新しい生体顕微鏡の開発を行っている。昨年度までの基盤研究Bにおいて、弓部から大腿部にかけて大動脈部位毎での弾性率分布の違いを、さらに拍動拡張に応じた血管の弾性構造の変化過程を明らかにした。本研究では、これらの結果をさらに発展させ、SHMの高機能化を目的に、1)生体組織の密度分布さらに、2)電荷分布の同時計測をも可能とする装置の改良を行い、組織内部の新たな物性評価、医療応用をめざす。 本年度では、現在開発中のSHM測定装置を改造し、生体組織の密度分布、並びに電荷分布の、弾性率や表面形状との同時計測を可能とするように高機能化した。具体的には、 1)密度分布計測の可能性追求:複数の共振周波数で計測することで、従来の弾性率分布と表面形状分布に加えて密度分布の観察が行えるか検討した。 2)電荷計測システムの構築:電荷計測を行うためにはセンサー先端のガラスプローブの表面修飾が必要である。修飾方法としてジチオカルバメートのリビング光重合を行った。先ず、ガラス表面にシランカップリング剤を用いて、ベンジルクロライド基を導入し、クロロ基をジチオカルバメート基に変換する。その後、各種モノマーを重合させ、ガラス表面にイオン性の薄膜を共有結合によって形成させた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究項目として、1)密度分布計測の可能性追求と2)電荷計測システムの構築を計画しており、共に研究に着手することができ、1)に関してはほぼ完了することができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に添って、推進することを予定しており、特段の研究計画の変更はない。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の会計締切までの納品が遅れたため、年度内に会計処理をすることができずに余剰が生じた。 次年度にて処理を行う予定である。 物品費2,457,414円、旅費1,000,000円、人件費・謝金500,000円、その他500,000円を予定している。
|