2012 Fiscal Year Annual Research Report
サンプル値制御理論による非定常信号のシステム理論とその応用
Project/Area Number |
24360163
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 裕 京都大学, 情報学研究科, 教授 (70115963)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | サンプル値制御理論 / ディジタルフィルタ / 非定常信号 / ウェーブレット / 音響・画像処理 / 適応更新則 |
Research Abstract |
まず非定常信号の解析とそのシステム理論の端緒として取り組んだサンプル値制御理論による最適ウェーブレット生成については,各方向ごとにウェーブレットあるいはスケーリング関数を生成するベクトルウェーブレットを生成することが可能となり,この分野への応用の可能性が開けた.ただ同時に明らかになったこととして,それらを一方向にまとめ,単一のウェーブレットを生成するにはやはりかなり強い制約条件が課されることが明らかになった.そのような条件を明らかにするのは,次年度以降の課題となる. 本年度のもう一つの主要課題である,スプライン関数族に対する最適サンプル値フィルタの設計については,高速サンプリングによるフィルタ設計アルゴリズムを得た.ただ理論解として期待している重み関数のシフトによる理論解との間には,計算誤差以上の自明でない差,乖離が存在しその原因は未だ明らかになっていない.重み関数の非定常性が何らかの影響をおよぼすものと考えられるが,その原因の救命が25年度の課題の一つとなる. サンプル値フィルタを用いた,音響・画像処理については,動画のインターレース解除方式について顕著な進展を得た.これについては,斜線の存在方向に関する新しいアルゴリズムの発見があり,新たな応用がおおいに期待される. またサンプル値フィルタの適応則についても,従来重み関数が1次の場合にのみ得られていた更新アルゴリズムを,近似アルゴリズムながら,より高次の重み関数に拡張することを得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最適ウェーブレット生成と,スプライン関数族に対するフィルタ生成については,当初の予定とは異なるものの,フィルタ設計手法を与えた.また画像処理,適応更新則については,当初の予定通りあるいはそれを超えて順調に成果が得られている.
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Strategy for Future Research Activity |
まず概要の項で述べた通り,スプライン関数族に対するフィルタ生成については,近似解と理論解との差の原因究明を進める.マルチウェーブレットについては,その得失を検討したい.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
音響処理について,さらに高速,ハイビットの処理系が使用可能となったため,それによる最高性能を実験によって確認することを目的とする.
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Research Products
(13 results)